XMenu

赤羽から「多様性」発信 出版社「ころから」5周年

東京

2018年2月17日

5周年フェアで「無冠、されど至強」などを紹介する木瀬貴吉さん=北区赤羽で

 「多様性を楽しむ」をコンセプトに、個性的な本を世に送り出している北区赤羽の小さな出版社「ころから」が、設立5周年を迎えた。地元の書店「文教堂赤羽店」(赤羽1)では今月から、専用コーナーを設け、これまで出版した全28作品を並べた記念フェアを開催している。 (中村真暁)

 「ころから」は、二〇一三年一月に、出版業界で働いていた木瀬貴吉さん(50)が二人のデザイナーと設立。重い物を移動する際に使う丸い棒「ころ」が、車輪に変わるようなパラダイムシフト(劇的な転換)を促したいとの思いを込めた。

 ノンフィクション作家・木村元彦さんの「無冠、されど至強」は、区内の東京朝鮮中高級学校サッカー部の半世紀が描かれている。公式戦出場が長く認められなかった一方、強豪校が練習試合を望んで訪れたほど強かったチームを通し、戦後の日本社会を考えさせる。日本で人身取引被害に遭ったコロンビア人女性の手記の翻訳本や写真集、エッセーなども出版している。

 木瀬さんは、拠点とする赤羽について「東京の入り口、交通の要衝で、多様な人がいる。この場所での出会いが出版につながったこともある。地元の書店員やライターの応援で、勇気づけられてきた」と語る。読者から出版への感謝を伝える声もメールやハガキで届くといい、「ありがとうと言われるような本作りを続けたい」。

 フェアは三月中旬まで。これまでの作品をモチーフにした記念缶バッジも販売する。書店の日毛(ひけ)俊之さん(60)は「ころからの出版物には興味をかき立てられる。多くの来店者にこの出版社の存在を知ってほしい」と話している。 

 

この記事を印刷する