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伝統技と美大生の発想 プロジェクト15年 江戸川で新作発表会

東京

2018年1月20日

桜吹雪をイメージした江戸扇子(江戸川区提供)

 江戸川区の伝統の技と、美大生のみずみずしい発想で、新製品を共作するプロジェクトが本年度で十五回を数えた。伝統工芸の革新に挑んだ新作は、今回を含め十五年で千三十五点。商品化は七百四十六点に上り人気商品も出てきている。 (飯田克志)

 二十、二十一日、都営新宿線船堀駅前のタワーホール船堀で新作発表会が開かれる。江戸川区の職人十三人と、女子美大・短大(杉並区)の学生六十四人が参加した。

 プロジェクトは二〇〇三年度、区が江戸硝子(がらす)、江戸風鈴、江戸ゆかた、染色、涼を呼ぶ「つりしのぶ」などの伝統工芸産業を活性化しようと企画した。

 毎年、五月に学生と職人が顔合わせをしてチームを結成。六月から職人が学生のアイデアを基に、話し合いながら制作に入る。今回は八十七点の製品が完成。六十三点の商品化を予定している。

 型紙で染める「型小紋」を使い、菊の大輪をあしらったブーツ。「組子建具」の技術で仕立てたスマートフォン用の小型スピーカー。桜吹雪をイメージした華やかな江戸扇子や、桜の花や月見をモチーフにした江戸硝子のグラスなどだ。

 新作は全国規模の見本市などでPR。専門ネットショップ「えどコレ!」でも販売している。区産業振興課によると、糸に漆を塗った「あやとり」をイメージした箸置き(〇四年度)や、組子でコースターをつくるキット(一一年度)などが好評。両製品は「おみやげグランプリ二〇一八」(観光庁後援)で入賞した。

 学生には、伝統のものづくりやアイデアが製品になる過程を体感できる貴重な機会だ。型小紋のブーツに携わった大学三年の井口真緒さん(21)は「職人さんの柔軟で粘り強いものづくりの姿勢がとても勉強になった」と多くのことを学んだようだった。

 プロジェクトには、延べで職人約百六十人、学生約二千人が携わった。江戸扇子職人の松井宏さん(70)は「若い人たちのアイデアは刺激的。挑戦する気持ちで取り組んだ。自分の創作にも生きていて、毎年学生がどんな提案をするか楽しみ」と話している。新作発表会で購入の予約ができる。

 

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