XMenu

浪曲師 波乱の3年間追う 27日、江東の独演会で上映

東京

2018年1月16日

浪曲の定席「浅草木馬亭」の前でドキュメンタリーについて話す田島さん=台東区で

 女性浪曲師・玉川奈々福さんの波瀾(はらん)万丈の3年間に密着したドキュメンタリーを墨田区在住の映像作家、田島空(くう)さん(56)が制作している。「期せずしてドラマチックな内容になった」という作品は、27日に江東区のカメリアホール(亀戸2)で開かれる奈々福さんの独演会で上映される。 (井上幸一)

 田島さんは二〇一四年秋、知人が開いた地元・向島での浪曲会の打ち上げで奈々福さんと出会う。歌舞伎などの伝統芸能は多くの映像記録があるが、浪曲はごく少ないと聞き、志願して同年の十二月から、浅草木馬亭などでカメラを回し始めた。

 すぐに、ベテラン曲師の沢村豊子さんが奏でる三味線の音が「キラキラしている」と感じ、奈々福さんの節や啖呵(たんか)と一体となる芸のすごさを実感。「古くてしょっぱいという浪曲の固定観念が覆された」。東北や、関西、九州まで追いかけるようになった。

 撮影期間の三年間は、奈々福さんにとって「なぜ自分が浪曲を志したのか、喉元に突きつけられた怒濤(どとう)の三年間だった」という。豊子さんに二十代の美舟(みふね)さんが入門して奈々福さんが面倒を見ることになり、浪曲界をけん引してきた人気者の国本武春さんが五十五歳で急逝、豊子さんが舞台で手首を骨折、美舟さんが急きょ相方に−。

 「撮っていいのかとためらう瞬間もあったはず」と、楽屋などでカメラを回し続けた田島さんのプロ意識を語る。

 映像は一六年十二月、二年間分を編集して江東区内で既に一回だけ上映した。今回の特別編は、豊子さんが復活した傘寿を祝う会の映像や、浪曲の歴史解説などを加え、より分かりやすいよう再編集する。

 田島さんは「浪曲入門編的な映像になるが、今後、師弟関係や、浪曲に人生をかける若者たちなど、いろんなテーマでまとめたい。浪曲とは?という問いに納得がいく答えが見つけられるまで撮影を続けていく」と先を見据えている。

     ◇

 約一時間に編集した「噂(うわさ)の玉川奈々福 キネマ更紗(さらさ)〜特別編〜」は、「玉川奈々福のキネマ&ライブ」の中で披露される。午後二時開演。上映後、奈々福さんと田島さんが対談し、撮影時のエピソードなどを語る。奈々福さんは、新作の「浪曲シンデレラ お正月特別バージョン」と伊達藩が舞台の「仙台の鬼夫婦」の二席(曲師・沢村豊子さん)を口演。

 前売り三千円、当日三千五百円。予約、問い合わせは、カメリアホール=電03(5626)2121=へ

 

この記事を印刷する