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人生を勉強できる場所 「スナック研究会」代表・谷口功一さんに聞く

東京

2018年1月1日

 スナックの魅力は何か。日本初という学術的アプローチで分析した「スナック研究序説 日本の夜の公共圏」(白水社)の編著者で、スナック研究会代表の谷口功一・首都大学東京教授(44)=法哲学=に聞いた。

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 スナックが生まれたのは、一九六四年の東京五輪がきっかけ。風俗浄化で、当時流行していたスタンドバーなどの深夜営業ができなくなったとき、軽食(スナック)を出して飲食店として営業できるようにした。おしゃれな若者が集まる場所だった。手軽に開業できることもあり、広がった。

 自宅でも職場でもない「第三の場所」としてくつろげる。初対面の客同士が気軽に話をし、社会、経済的な地位の差もない。話していたら、実はすごい社長さんだったなんてことはざらにある。仕事でいろいろあっても、ここで話をしてスッキリして帰る。ダメな人も温かく包み込むし、格好良く飲む人もいる。ある種のカウンセリングの場所、人生の勉強の場所といえる。

 スナックに行ったことのない人には、地元の店を勧める。常連客が、病院のこと、防犯のことなど地域のことを教えてくれる。女性がいる夜の店が、性を売り物にしないで成り立っている。カラオケ、ボトルキープの仕組みを含め、世界的にもまれな場所だと思う。

 スナックは減っているが、起業してスナックを始める若者、ビジネスの全てのエッセンスがスナックにあるという起業家も出てきた。スナックは簡単にできると下に見る人もいるがとんでもない。酒を飲んだ相手を何人もさばき気持ち良くさせる。知的労働として高級な仕事だということを、ママたちに伝えていきたい。 (聞き手・川田篤志)

 

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