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<東京NEWS2017>(1)小池知事 都議選と衆院選で明暗

東京

2017年12月23日

都議選開票日、自らが率いた都民ファーストの会の圧勝を喜ぶ小池百合子知事。「小池劇場」の絶頂期だった=7月2日、新宿区で

 七月の都議選、十月の衆院選いずれも「台風の目」は小池百合子知事だった。選挙期間中は、それぞれ自身が立ち上げた都民ファーストの会と希望の党の代表を務めた。だが、結果は皮肉にも対照的だった。二つの選挙で見えてくるのは、「劇場型」政治の終焉(しゅうえん)だ。

 両選挙で共通する小池知事の手法は、明確な「敵役(かたきやく)」を作り上げたことだ。都議選では自民党都連を「しがらみだらけの政治」と批判し、衆院選では「反安倍一強」と対抗心をあらわにして支持を得ようとした。

 弁護士や医師、会社員など、選挙戦とは無縁で生きてきたであろう新人を積極的に擁立したところも似ていた。擁立候補のうち新人の割合は都民ファが80%、希望の党は53%。街頭では、政治家然としていない候補者たちと並んで数多くの応援演説をこなし、現状からの「変革」を演出した。

 一方で、両選挙には違いもあった。都議選では、組織力がある公明党や連合東京などと選挙協力を結んで支援を受けたのに対し、衆院選で連携はなく「風」だけに頼った。都議選では、候補者を発掘する「希望の塾」を開塾してから告示まで八カ月の準備期間があったが、衆院選では党の結党宣言から二週間程度しかなかった。

 結果は、都議選では五十人の公認候補のうち四十九人が当選した(追加公認を除く)が、衆院選の都内小選挙区は一勝二十二敗と惨敗した。衆院選投開票日から三週間ほどで、党代表を引責辞任した。

 劇場型の政治といえば、二〇〇五年の郵政解散・総選挙が思い浮かぶ。小池知事は、落下傘候補の「刺客(しかく)」として東京10区で当選するなど、この言葉は自身の代名詞となった。

 だが劇場型は、「次は何を仕掛けるのか」と興味を引き、驚かせることが必要だ。戦略的に注目を集め続ける小池知事の発言に、有権者は「本当に都民ファーストか」と、実現可能性を含めて疑問に思い始めた。その結果が両選挙の明暗を分けたのではないか。

 「これからが都政本番だとつくづく思う」。都内で二日にあった都民ファ都議の集会で、小池知事はそう語った。今月の都議会定例会でも、衆院選への関与に反省の言葉を述べ、「都民ファーストの都政を進める」と繰り返した。

 都政の課題は山積する。首都の未来をどう描くのか。小池都政は来年、確かな実績が求められる「第二章」に突入する。 (木原育子)

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 記者たちが二〇一七年に都内であった出来事を振り返る。

 

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