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生き抜く力をアートで表現 病院内で美術学ぶ患者ら自己表現展 きょうまで

東京

2017年12月10日

造形教室のメンバーの作品と安彦講平さん=八王子市で

 精神科で治療を受けながら美術を学ぶ患者らの作品を紹介する「“癒(いや)し”としての自己表現展」が、八王子市本町の市芸術文化会館いちょうホール第一展示室で開かれている。主催者は「患者らへの理解を深め、すべての人が自分自身の生き方を見つめ直す機会に」と呼び掛けている。10日まで。 (萩原誠)

 自己表現展は、同市美山町の平川病院内にある造形教室で学ぶ患者らの作品約百五十点を披露している。病院の主催で二十四回目。

 会場には、絵を描く心の内を表現した油彩画や、貼り絵で人物を表現したコラージュ、体に針が生え始めたと感じた様子を石膏(せっこう)粘土で表した作品などが並ぶ。

 作者の思いなどを記した文章も紹介されている。

 「僕は自分の描いた絵を見るのが楽しく心が安らぐ。そこには現実世界にはない自分自身が感じられるから」…。それぞれの作者が作品で自らを表現した思いや、世話になったスタッフらへの感謝をつづっている。

 教室を主宰する安彦(あびこ)講平さん(81)は、一九六八年に東京足立病院で造形教室を始めた。七〇年からは八王子市内にあった丘の上病院でも教室を開催。同病院閉院後の九五年から、平川病院で教室を開いてきた。

 安彦さんは「この教室は芸術療法や教育という上からの指導ではない。それぞれが主体的に自分の中にあるものを引き出して自分や外界と向き合う、いやしの自己表現の場」と話す。

 「それぞれの感性で生き抜く力を表現した作品ばかり。多くの人に大きな力や励みを与えてくれると思う」

 午前十時から午後四時まで。午後一時から、作者がそれぞれの作品の前で語るギャラリートークもある。入場無料。

 

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