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<東京人>聖地を歩く どこにも誰にでも

東京

2017年12月3日

古くから修験道の霊山とされた高尾山。「ミシュランガイド」で三ツ星に認定されたこともあり、平日でも老若男女でにぎわう

 「東京人」編集部のオフィスは、「東京のお伊勢さま」で知られる東京大神宮(千代田区富士見)の裏にあります。平日の昼間でも、縁結びを願う若い人たちの姿が絶えません。中には毎日の習慣なのか、鳥居の前で静かに手を合わせてから先を急ぐ人もいます。

 日本全国の神社の数は約八万社で、コンビニの約五万店をはるかに超えています。近年、テレビや映画、アニメに登場した場所を訪ねる「聖地巡礼」がブームとなり、おかげで参拝客が増えた神社も数多くあります。絵馬やお守りを工夫するなど、神社もビジネスセンスが問われる時代になりました。

 「聖地を成立させるのはメディア。その場所を巡る物語がたくさんの人に共有されると聖地になる」と解説するのは、宗教学・観光社会学を専門とする北海道大学准教授の岡本亮輔さん。作家の加門七海さんは「あなたのパワースポットはどこですか?と聞くと、『パチンコ屋』『デパート』と答える人もいる」。コラムニストの辛酸なめ子さんは「新しい商業施設は生きる原動力にもなる物欲的パワースポット」とエッセーでつづります。

 心が落ち着き、清らかな気持ちになったり、明日への活力が得られたりする「聖地」は、社寺以外にもあります。自分だけの「マイ聖地」を持っている人は、案外多いのではないでしょうか。次週からは「徳川将軍家」「湧水」「巨木」など、土地の歴史や人々の暮らしにある「聖地」を紹介します。 (「東京人」副編集長・田中紀子)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部から、原則毎週日曜日に都内各地の情報をお届けします。

 詳しくは、「東京人」1月号20ページ「座談会『聖地』は、どう生まれ、どう広がっていくか 泉麻人×加門七海×岡本亮輔」で。

 【1月号主な内容】江戸の「聖」と「俗」 竹内誠▽物欲は「聖地」に宿る 辛酸なめ子▽アニメと巡礼 北村弥生▽鉄道と社寺参詣 平山昇▽ご利益神社おすすめ15選

 問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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