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「幼児期 感性伸ばして」 東京芸大シンポ 美術教育のあり方議論

東京

2017年11月18日

日本の美術教育のあり方について議論するパネリストら=台東区の東京芸大で

 大学の教壇に立ちながら第一線で活躍する美術家たちが日本の美術教育の課題を議論するシンポジウムが十七日、台東区の東京芸大で開かれた。授業にタブレット端末を導入する風潮を「産業やデバイス(機器)の奴隷にしないで」と厳しく断じ、「三歳までの教育で(想像力の)エンジンが決まる」と子どもの主体性と好奇心を育む大切さが指摘された。

 パネリストは、いずれも同大教授で美術家の日比野克彦さんと空間デザイナーの橋本和幸さん、写真家の畠山直哉さんと、京都造形芸術大教授で美術家の椿昇さん。アーティストの中村政人さんが進行し、それぞれ教育論を披露した。

 椿さんは、暗記などに力点を置く教育を「人工知能(AI)に置き換えられる能力を育ててもダメ」と批判。幼児期に野山で遊ばせるなど感性を伸ばす大切さを説いた。

 表現者として革新的な作品を生むためにも基本スキルを学ぶ大切さについて、各パネリストの意見は一致した。畠山さんは使い勝手が良く性能の高いデジカメの登場で「写真家になるのに撮影術を学ぶ必要がなくなった。スキルとそれを支える創造性をどうバランスさせるかが今の時代だ」と付け加えた。

 シンポは、大学美術館でこの日から始まった展覧会「全国美術・教育リサーチプロジェクト−文化芸術基盤の拡大を目指して−『子供は誰でも芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ』パブロ・ピカソ」の一環。学生ら約二百人が耳を傾けた。

 展覧会では全国の園児や小中高生、美大生からプロのアーティストまで各世代の絵画や立体造形など約二百点が一堂に並ぶ。入場無料。十二月三日まで(月曜休館)。 (川田篤志)

 

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