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「静かに眠りたい」 横田騒音訴訟11日に判決

東京

2017年10月9日

自宅前で米軍機の騒音被害を訴える太田美幸さん=福生市で

 「夜、静かに眠りたい。そう思うのは普通のことでしょう」。米軍横田基地(福生市など)の周辺住民千七十七人が、夜間と早朝の飛行・エンジン作動差し止めなどを求めた「第二次新横田基地公害訴訟」の判決公判が十一日、地裁立川支部で開かれる。生まれた時から基地の近くに住み、騒音にさらされてきた原告の一人で福生市のパート従業員太田美幸さん(51)は、司法の判断に望みを託している。 (林朋実)

 自宅は基地から一キロほど。飛行の爆音だけではなく、テストなどのため基地内でエンジンを作動させる地上音も響く。午後十〜十一時ごろ、寝つくか寝つかないかの時に始まる「ダーッ」という低音。長い時は一時間以上続き、重い気分で目が覚めることはしばしばだ。「飛行音とはまた違って、神経にのしかかってくるようなどんよりした音なんですよ」。自宅は防音工事をしているが「窓を閉め忘れたかと思うほどうるさい」という。

 千人を超える原告が切望する飛行差し止めは、一九七六年から繰り返されてきた横田基地訴訟でも、神奈川県の厚木基地など全国のほかの基地訴訟でも「国に権限がない」などとして、一度も認められたことはない。

 今回の訴訟では、差し止めが将来実現する時まで、原告一人あたり毎月二万二千円の損害賠償も求めているが、これまでの同種訴訟では、結審時までの分に限り、地域ごとのうるささの度合いに応じた賠償が認められたのにとどまる。

 「とにかく夜の飛行機は止めてほしい」と話しながら、太田さんは今回も差し止めが認められる可能性は低いと感じている。「諦めるような気持ち」もある一方で、それでも訴訟には意味があると信じている。「この環境を子や孫の世代にまで残したくない。一人一人の声は微々たるものでも、声を上げ続けるのが大事なんです」

 

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