XMenu

移民の現状を2世が報告 上智大で7日から講座スタート

東京

2017年10月5日

「工業地帯で働いている移民のことを知ってほしい」と話す篠原ロンカット・マリアナさん=千代田区で

 日本に来て働き、暮らしている移民。その子どもたちの中から、移民を研究テーマにする研究者が生まれている。移民の家族が暮らす日本社会の現状、課題などを、七日から上智大四谷キャンパス(千代田区)で始まる連続講座「移民二世からの研究発信」で報告する。 (飯田克志)

 日系ブラジル人で同大客員研究員の篠原ロンカット・マリアナさん(35)が初回の担当。愛知県豊田市の保見団地の移民コミュニティーについて報告する。

 篠原さんは一九九一年、九歳の時、日本で働こうと考えた両親と来日。自動車関連工場で働く南米出身の日系人が増え始めていた団地で高校卒業まで過ごし、二〇〇一年に帰国した。ブラジルの大学では労働社会学を専攻。〇八年のリーマン・ショックのため、日本から戻って来た出稼ぎ労働者について研究した。

 昨年の十月に再来日。上智大を拠点に、日本人より日系ブラジル人らが多くなった保見団地に通い、三十年暮らす六十代から、十代の「三世」までの男女四十四人に聞き取りをした。

 団地では日系人向けスーパーや飲食店ができ、市役所や小中学校は通訳サービスを整備している。「日本語ができなくても暮らせるが、日本の社会と接する機会が少ない」と篠原さん。聞き取りした人の大半は自動車関連工場に勤務。「長く勤めても正社員になれない」「景気が悪くなったときに最初に辞めさせられないか不安」という切実な思いを聞いた。

 「私が当事者だから話しやすく、その気持ちや労働状況を理解しやすいのかもしれない。彼らは日本が好きで、日本にとって重要な産業を支えていることをもっと知ってほしい」と篠原さんは訴える。

 講座はNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(台東区)の「ここにいるキャンペーン」の賛同企画。上智大の稲葉奈々子教授は「移民の問題が、当事者からは、どのように見えているのかを知る機会になる」と話している。

      ◇

 二カ月に一回のペースで開催予定。七日は午後四時〜六時、二号館六階615a教室。参加無料で、申し込み不要。問い合わせは稲葉さん=電070(6519)1391=へ。

 

この記事を印刷する