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足利で321人犠牲 カスリーン台風 15日、渡良瀬川堤防で慰霊祭

栃木

2018年9月12日

321人の犠牲者の名前を刻んだ慰霊碑の前でカスリーン台風の猛威を振り返る源田住職=いずれも足利市で

 一九四七年九月のカスリーン台風の犠牲者を悼む慰霊祭が十五日、足利市岩井町の渡良瀬川堤防に立つ慰霊碑の前で営まれる。遺族や地元住民でつくる慰霊碑保存協議会が主催。協議会会長で地元の徳蔵寺の源田晃澄(こうちょう)住職(75)は「全国で深刻な天災が続く今だからこそ、過去の教訓に学んでほしい」と広く参加を呼びかけている。 (梅村武史)

 カスリーン台風は七十一年前の九月十五日、房総半島に接近し、関東地方を中心に死者・行方不明者は約千百人に上った。渡良瀬川が決壊した足利市では、名前が判明している人だけで三百二十一人の市民が亡くなっている。終戦後の混乱期で身元確認ができない死者も多数いる。

 当時四歳だった源田さんの記憶は鮮明だ。渡良瀬川左岸の同市猿田町の寺全体が水につかり、本堂の屋根裏まで逃げて命を守った。水が引いた翌日、境内に遺体の山ができ、源田さんもござ集めに駆り出された。泥を飲んで大きく腹が膨れた遺体や、母子が手をつないだ状態の遺体もあったという。

カスリーン台風で渡良瀬川が決壊し、市街地にも激流が押し寄せた。命綱を頼りに避難する当時の人々

 源田さんは「災害はいつ、どこで起こるか分からないので心構えが大切。若い人たちがカスリーン台風の悲劇を学び、未来に生かしてほしい」と願う。

 七十一回目となる慰霊祭は、足利署から南に約三百メートルの決壊地点に近い渡良瀬川左岸の土手で行われる。慰霊碑を前に源田さんが犠牲者の三百二十一人の名前を読み上げ、参列者らが献花する。源田さんの講話もある。午後一時から約一時間。参加自由。

 問い合わせは徳蔵寺=電0284(41)8621=へ。

 

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