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アメフット関東学生連盟 日大の処分 解除せず

スポーツ

2018年8月1日 朝刊

日大の悪質反則問題に関する臨時理事会後に、記者会見する関東学連の森本啓司専務理事(左端)ら=東京都港区で

 関東学生アメリカンフットボール連盟は31日、東京都内で臨時理事会を開き、悪質な反則問題があった日本大アメフット部が提出したチーム改善報告書を基に同部に科した公式試合出場資格停止処分の早期解除を協議したが、改革の実効性などを疑問視し、見送ることを決めた。投票に参加した理事20人のうち17人が賛同した。日大は秋のリーグ戦に出られないことが確定し、1部上位リーグから2019年度は下位リーグに降格する。

 関東学連は、チーム改革を進めようとする日大の姿勢を評価しつつも、大学全体で取り組むべき改善策の策定も実施も不十分で「十分な改善がなされたとは認められない」と説明。日大の田中英寿理事長が問題を反省し「改革をトップダウンで進めていく」などのメッセージを発していれば、今回の結論が変わっていた可能性を示唆した。反則を指示した内田正人前監督や問題の口封じを図ろうとした日大関係者らの影響力が完全に排除されたかどうかは現時点で不明とも指摘した。

 関東学連の柿沢優二理事長は、日大の学生から試合の機会を奪う決定を残念がりつつも「対戦相手の安全も担保していかないといけない」と述べた。

 日大アメフット部は「ご指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後とも弊部の改革に尽力したい」とのコメントを発表した。

 5月の定期戦で、日大の選手が危険なタックルで関西学院大の選手を負傷させた。この問題で、関東学連は反則を指示したとして内田氏らを永久追放に相当する除名とし、日大には18年度シーズン終了まで出場資格停止処分を科した。

 日大は処分解除の条件とされたチーム改善報告書を17日に関東学連に提出。内田氏らの反則指示を認めて謝罪するとともに事件当時の指導陣を排除したことを報告し、再発防止策も提示した。

 関係者によると、弁護士、医師ら5人で構成される関東学連の検証委員会は報告書を精査し、一度は処分解除を提案する方向となったが、最終的には大学側の関与が不十分と判断し、理事会に答申した。

◆改善報告書「不十分」

 日本大アメリカンフットボール部はチーム改善報告書で、内田正人前監督ら事件当時の指導陣を排除し、指導者の大学要職兼務を禁止するなど、複数の再発防止策も提示した。だが検証委員会メンバーの寺田昌弘氏は「大学本部を巻き込んで全体で対応しないといけなかったが、まだ十分にできていなかった」と指摘。「改善がなしえているとはいえない」と、報告書の内容が不十分として厳しい判断を下した。

 関係者によると検証委の中には処分解除を認める意見もあったという。ぎりぎりまで結論は出なかったが、日大の田中英寿理事長から「組織改革を必ずやり遂げる」などの言明がなかったことも問題視した。関東学連の柿沢優二理事長は「非常に重たい事実」と苦渋の表情を浮かべ「部だけに任務を押しつけたような形になってしまった日大のガバナンス(組織統治)について、少なからず憤りを感じている」と絞り出した。

 公式試合の出場資格停止処分は2018年度シーズン終了まで。ただ、「何もないまま戻ってくることはあり得ない」(森本啓司専務理事)とし、再発防止策が確実に実行されなければ来季以降も処分を継続する可能性も示唆した。日大全体としていかに取り組むかが問われる。

◆関東学連会見のポイント

▽日本大アメフット部に科していた公式試合の出場資格停止処分の解除はしない。

▽日大全体で取り組むべき改善策の策定も実施もいまだ不確定、不十分。

▽内田前監督や口封じを図ろうとした日大関係者らの影響力が完全に排除されたかどうかは現時点で不明。

▽日大の田中理事長が反省とともに「改革をトップダウンで進めていく」などのメッセージを発していれば、結論が変わっていた可能性があった。

 

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