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御嶽海、賜杯王手 大一番うまさ本領

スポーツ

2018年7月21日 朝刊

御嶽海(左)が送り出しで豪栄道を破る

◇大相撲名古屋場所<13日目>

 単独トップの関脇御嶽海は大関豪栄道を送り出し、1敗を守った。御嶽海が14日目に平幕栃煌山に勝つか、負けても3敗で追う平幕の朝乃山、豊山がともに敗れれば千秋楽を待たずに御嶽海の初優勝が決まる。豪栄道は4敗目で優勝の可能性が消えた。

 朝乃山は妙義龍を寄り切り、豊山は栃煌山を押し出して3敗を維持した。大関高安は遠藤を寄り切り9勝目。関脇逸ノ城は7敗目を喫し、小結玉鷲は勝ち越した。

 十両は貴ノ岩が勝って、12勝1敗で単独首位をキープした。

     ◇

 立ち合いの鋭さは豪栄道の方が明らかに上だった。頭から当たられた御嶽海はたまらずよろめき後退した。だが、「気持ちだけは余裕を持っていたし、相手もしっかり見えていた」。

 すぐに体勢を立て直し、左に回り込めるところが今場所の動きの良さとうまさを物語る。左上手で締め込みの結び目付近を奪い、出し投げを放ち後ろ向きにさせた。あとは土俵際で背中を一押しするだけだった。送り出しで破り「はまりました」と納得顔で語った。

 場所前の出稽古で行った豪栄道との三番稽古は3勝14敗と大きく負け越していた。稽古では本来の力を出せないが、本場所になるとめっぽう強い典型的な「場所相撲」の力士。その本領を今後の相撲人生を占う大一番で発揮した。八角理事長(元横綱北勝海)は「冷静というより相撲勘。反射神経というのかな。押し込まれても、うまく勝っちゃう。考えてできることじゃない」と天賦の才をたたえた。

 前日の12日目に高安に敗れた。初日からの連勝は止まったが、傾きかけた流れを自らの力で再びたぐり寄せた。「御嶽海には連敗癖がある」。角界で指摘される弱点を払拭(ふっしょく)するような勝ちっぷり。土俵下で取組を見守った高田川審判長(元関脇安芸乃島)も「連敗もしなかったし、一人元気がいいという感じ」。番付上位を破った意義も大きい。

 3横綱1大関が不在の異常事態の中で賜杯争いを引っ張り、栃煌山と当たる14日目にも初優勝が決まる。御嶽海は「(重圧が)ないと言えばうそになる」と胸の内を明かし、こうも言った。「自分の相撲を取れば負けない」。入門当初から将来を嘱望されていた25歳が、歓喜の瞬間を目前にとらえた。 (禰宜田功)

 

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