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「障害者働く場 奪われた」 水増し数千人規模

政治

2018年8月22日 朝刊

野党合同ヒアリングで意見を述べる藤井克徳さん。左は佐藤聡さん=21日午後、国会で

 中央省庁が雇用する障害者数を水増ししていた問題で、国のガイドライン(指針)に反して昨年の雇用者に算入していた人数が各行政機関合わせて数千人規模に上ることが分かった。水増し分を除いた実際の雇用率が0%台になる省庁が複数あることも判明。財務省や経済産業省が水増ししていたことや、法務省と気象庁でも障害者手帳などを確認せずに雇用率に算入していた疑いが判明し、計七省庁に拡大した。

 複数の政府関係者が二十一日、明らかにした。厚生労働省は一部で法定雇用率達成のために意図的に不正が行われた疑いもあるとみて調べている。

 静岡県なども二十一日、指針違反を発表し、都道府県では計十県となった。

 厚労省は、各省庁など国の三十三行政機関で計約六千九百人の障害者を昨年雇用していたと発表したが、数千人規模の雇用を事実上、偽っていたことになる。障害者団体が「障害者の雇用の機会が奪われた」と反発するなど、制度に対する信頼が揺らいでいる。

 複数の関係者によると、指針の理解不足によるミスとみられるケースもあるが、一つの省庁だけで数百人を算入していた例も複数あった。0%台の省庁も少なくなく、各省庁の人数を積み上げると「影響人員は数千人規模になる」(政府関係者)という。

 障害者雇用促進法は一定割合の障害者雇用を義務付けている。厚労省が毎年六月の雇用状況の報告を求めている。

<障害者雇用ガイドライン> 障害者雇用促進法は一定割合以上の雇用を義務付けており、その実現に向け、厚生労働省がガイドラインを作成している。原則として身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持つ人が対象。知的障害者は療育手帳か精神保健指定医などの判定書が要る。身体障害者は都道府県知事が定める医師や産業医の診断書や意見書でもよい。国や自治体の法定雇用率は2.5%、民間企業は2.2%。ともに4月に0.2ポイント引き上げられた。さらに2020年度末までに0.1ポイント上がる。達成できない従業員100人超の企業は納付金を徴収されるが、国や自治体は徴収されない。

 

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