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首相 問われる「1強」5年8カ月 「森友・加計」疑念晴れず

政治

2018年8月12日 朝刊

 九月の自民党総裁選は十一日、安倍晋三首相が連続三選に意欲を表明した。石破茂元幹事長との一騎打ちとなる公算の選挙戦では、第二次安倍政権が二〇一二年十二月末に発足して以来の「安倍一強の五年八カ月」そのものが問われる。 (村上一樹、金杉貴雄)

 「続投に向け、一致団結して頑張ろう!」。首相の地元・山口県で開かれた十一日の会合は、首相の支持者約三百人が三度こぶしを突き上げ、さながら総裁選への決起集会の様相となった。高村正彦副総裁は「あと三年間よろしくお願いする」と首相の外交、経済での実績を持ち上げた。

 首相はあいさつで、第二次安倍政権の経済面の「功績」を自画自賛。「GDP(国内総生産)は過去最高」「正規の有効求人倍率は一倍を超えた」「生活保護世帯の進学率も上がった」などと並べ立てた。

 「アベノミクス」は曲がり角を迎えた、と指摘される。「異次元の金融緩和」は、超低金利による経済への副作用の長期化が懸念されている。経済を好転させ消費税増税の環境を整え、財政再建する−はずが、税率10%への引き上げを二度延期してきた。財政再建は遠のき、負担は将来世代に先送りされている。

 首相は、数々の法律を野党の反対を押し切って強引に成立させたことも「実績」に挙げた。特定秘密保護法、安全保障関連法、「共謀罪」法の成立に触れ「必要だと結論に至れば、たじろぐことなく実行してきた」と胸を張った。

 改憲にも、重ねて意欲を示した。同時に安倍政権は憲法を軽視するような姿勢も目立つ。憲法上許されないと歴代政権が判断してきた集団的自衛権の行使を容認し、憲法の規定に基づく野党の臨時国会開会要求に応じてこなかった。

 首相自身あいさつで認めたように、政治や行政への国民の不信感は深刻だ。森友・加計問題では、発覚から一年半を経ても国民の疑念が晴れていない。首相と加計学園理事長の面会が記された文書など「証拠」が次々に明らかになったのに、首相らの不可解な説明が続いているからだ。

 総裁選は、首相が国会議員の七割超の支持を確保。注目は、より国民の感覚に近い党員などによる地方票。支持の行方次第で、政権への評価が見えてくる。

 

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