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産後ケア事業実施 26%の自治体のみ 予算、人手不足が壁

政治

2018年8月5日 朝刊

 助産師などの専門家が産後の母親の心や体の不調に対応し、うつや虐待予防の一環としても期待が集まる「産後ケア事業」を実施する市区町村は全国で26%にとどまることが四日、厚生労働省の委託調査で分かった。国は事業の全国展開に力を入れるが、「今後実施予定」の自治体も34%と低迷しており、予算と人手不足が壁となっているようだ。

 産後ケアは、核家族化により身近な人の助けが得られないなどの事情がある母親の孤立を防ぐことが目的。お風呂の入れ方など発育に応じた指導をしたり、悩みを聞いて不安を和らげたりする。自宅や病院、専門施設で実施している。

 調査は委託先の「みずほ情報総研」が今年一〜二月、全国の市区町村千七百四十一を対象に実施。千三百八十四自治体から回答を得た。事業を実施している自治体は26・2%、「今後実施予定」は34・4%だった。一方「実施予定なし」は28・6%で、多くが「予算や人員の確保が難しい」を挙げた。

 国は二〇一五年度から事業費の半分を補助。一七年に産後ケア事業の種類や方法、注意点をまとめた指針を公表し、取り組みを促している。

 個別回答では、補助の継続や拡大など国の支援に対する要望が目立った他、実施自治体の多くが事業の周知や潜在的ニーズの掘り起こしを課題として挙げた。事業があっても、年間利用がゼロの自治体もあった。

 みずほ情報総研の志岐直美チーフコンサルタントは「費用対効果が明確ではないとして予算化をためらう自治体もあるが、子育て環境を充実させることは人口減少対策にもなる。長期的視点が重要だ」と指摘する。

 

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