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LGBTに冷たい自民 謝罪、撤回求めず口頭指導

政治

2018年8月3日 朝刊

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が、子供をつくらない性的少数者(LGBT)は「生産性がない」などと月刊誌「新潮45」に寄稿したことを巡り、同党は2日までに「配慮を欠いた表現があり、指導した」とする見解を党ホームページ(HP)に掲載した。杉田氏の寄稿そのものに加え、二階俊博幹事長が寄稿を問題視しない考えを示したことが世論の反発を強め、ようやく指導を公表する形で事態収拾に乗り出したが、謝罪や撤回までは求めず、人権問題に対する意識の低さを露呈した。 (金杉貴雄)

 自民党では谷川とむ衆院議員が七月二十九日のインターネット放送局「Abema TV」の番組で、同性婚のための法整備を認めず、同性愛を念頭に「趣味みたいなもの」と語り、性的少数者に対する無理解な発言が続いている。

 杉田、谷川両氏は、いずれも当選二回で比例代表選出。ともに安倍晋三首相の出身派閥・細田派所属だ。

 杉田氏の寄稿について、自民党は一日付のHP上の見解で「(杉田氏の)個人的な意見」としつつ、「理解不足と関係者への配慮を欠いた表現があることも事実」と認め、「本人には今後、十分注意するよう指導した」と発表した。

 杉田氏は二日、事務所を通じて発表したコメントで「真摯(しんし)に受け止め、今後研さんに努めていく」としたが、撤回や謝罪はしなかった。党の「指導」は、党性的指向・性自認に関する特命委員会の古屋圭司委員長の口頭でのものだった。

 杉田氏の寄稿に関し、二階氏は先月二十四日の記者会見で「いろんな考え方の人がいて自民党は成り立っている」「人それぞれ、いろんな人生観もある」と語り、容認とも受け取れる姿勢をみせていた。

 同二十七日には党本部前で、LGBTの当事者ら五千人以上(主催者発表)による抗議デモも行われたが、執行部は公に寄稿内容を批判していなかった。

 石破茂元幹事長は二日、都内での会合で「平気で人権を傷付けてしまうような言動を認めること、おとがめなしが自民党の懐の深さだとは思わない」と、執行部の対応が甘いとの認識を示した。首相は同日、視察先の宮城県内で記者団に「人権が尊重され、多様性が尊重される社会を目指すのは当然だ。これは政府、与党の方針でもある」と語った。

 

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