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岸田氏不出馬、3選支持 総裁選安倍氏VS石破氏の構図

政治

2018年7月25日 朝刊

 自民党の岸田文雄政調会長は二十四日、記者会見し、九月の自民党総裁選不出馬と安倍晋三首相の総裁三選支持を表明した。首相は八月、立候補を正式表明する。石破茂元幹事長は首相との対決姿勢を鮮明にし、同じく八月に出馬表明する見通し。総裁選は首相優位の情勢の下、石破氏との戦いの構図で進むことになった。

 岸田氏は二十四日の記者会見で「安倍首相を中心に政策課題に取り組んでいくことが適切だ」と自身は総裁選に立候補しない考えを示した。

 自らの派閥内には立候補を求める声もあったが、岸田氏は、地元広島を中心に西日本豪雨災害からの復旧が急がれていること、北朝鮮問題など外交課題が山積していることを理由に挙げた。首相には記者会見直前に不出馬と首相支持を伝えたという。

 首相は、岸田派に加え、出身派閥の細田派や麻生派、二階派からも支持を得て、四派閥だけで国会議員票の約六割を確保。さらに無派閥議員からも支持を得て、有利な情勢だ。

 石破氏は二十四日、自身の立候補表明時期について「有権者たる自民党員が十分判断できる時間は必要だ」と記者団に語った。国会議員票では自らの派閥以外に支持が広がっていないため、地方票での支持拡大を目指している。

 野田聖子総務相は立候補に必要な推薦人二十人確保を目指す。二十四日には記者団に「歩んできた道のりをこつこつと自分の信念に従って歩いて行くだけだ」と改めて立候補の意欲を語った。無派閥のため、立候補に必要な推薦人確保は難航しているとの見方もある。

 総裁選は国会議員票と党員・党友による地方票の合計で争われる。「九月七日告示、同月二十日投開票」の日程で調整されている。

◆改憲論の行方を左右

 自民党総裁選は、今後の改憲論議を左右する。安倍晋三首相は二十日、自身の提案を基に党がまとめた九条二項を維持したまま自衛隊を明記するなど四項目の承認を得て、改憲を実現させる考えを示した。一方、石破茂元幹事長は九条二項削除を主張。総裁選の結果は、自民党が四項目の改憲を目指すかどうかを決める。

 首相は二十日の記者会見で、四項目について「議論を重ね方針を決定した。自民党は結論が出れば、一致結束して進んでいく」と指摘し、党内では「決着済み」との立場を強調した。ただ、総裁選では「候補者が誰になるにせよ、自分の考え方を披歴し、大きな争点になる」とも語った。

 四項目については、自民党内で不十分な議論のまま決められたとの不満が残る。首相はそれを念頭に、総裁選で議論の決着をつける狙いがあるとみられる。

 石破氏の持論は、自らが作成にも関わった二〇一二年の党改憲草案だ。九条改憲では戦力不保持をうたう二項を削除し、国防軍を創設するなどとしている。

 平和憲法の根幹ともされる二項の削除案は公明党も反対で、「二項維持案」は改憲実現を優先する首相が打ち出した。だが、「戦力不保持」を維持しながら自衛隊の存在を書き込むことは「矛盾だ」との考えは党員にも根強い。

 石破氏は時間をかけても他党を説得すべきだと主張。「自民の改憲草案は通りっこない、というのは敗北主義だ」と首相を批判している。

 石破氏が総裁選に勝てば改憲四項目は白紙となる。一方、首相が圧勝すれば自民党が改憲発議に向けて、国会での改憲論議を加速させるとみられる。二人以外にも候補者が出れば憲法に関する公約を示し、党内での改憲論議がより活発になる。 (金杉貴雄)

 

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