XMenu

生活関わる法案見送り 国会きょう閉幕 与党「カジノ」「働き方」は強行

政治

2018年7月22日 朝刊

 今国会が二十二日に閉幕する。森友、加計問題など安倍政権の不祥事が相次ぎ、与野党が激しく対立したあおりで、審議時間が限られ、国民生活に影響する法案成立が見送られた。与党は重要視するカジノを中核とする統合型リゾート施設(IR)整備法や働き方関連法などの採決を強行する一方、野党が提出した原発ゼロ基本法案などは一度も審議しなかった。 (木谷孝洋)

 政府提出法案で成立しなかったのは、成年後見制度適正化法案や洋上風力発電促進法案など五本。政府提出法案の成立率は92・3%だった。議員立法では超党派で検討していたチケット高額転売禁止法案が先送りされた。

 成年後見制度適正化法案は、知的障害や認知症などで制度を利用した人が、一律に公務員や教員、保育士などになれない欠格条項を廃止。個別の状況ごとに審査し、不当差別を解消するのが目的だ。洋上風力発電促進法案は、洋上風力発電の普及を広げるのが狙い。いずれも内閣委員会で審議される予定だった。

 政府・与党は終盤国会でカジノ法の成立を最優先させた。審議は内閣委員会で行われるため、成年後見制度適正化法案などを審議する時間はなく、置き去りにされた。野党はカジノ法の成立を急ぐ必要はないと主張した。

 東京五輪・パラリンピックを見据え、コンサートやイベントのチケットの高額転売を禁止する法案は、超党派の議員連盟が成立を目指した。与野党が国会に共同提出するため、本来なら成立するはずだが、国会運営を巡る対立が高まったため、与野党の協議が難しくなり、提出を断念した。

 野党は、東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5つ)が虐待死した事件を受け、児童福祉司の増員などを盛り込んだ児童虐待防止法などの改正案を提出したが、一度も審議されなかった。立憲民主党などが中心となって提出した原発ゼロ基本法案や犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」を廃止する法案も、委員会で扱われなかった。

 国民民主党の泉健太国対委員長は、二十日の記者会見で「与党が国会改革を言うなら、野党提出法案をしっかり扱うことが最低限必要だ。虐待死事件を受け児童相談所の体制を強化する法案は厚生労働委員会で時間があったのに、与党が審議拒否した」と批判した。

 

この記事を印刷する