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公文書不作成に拍車も 政府、改ざん再発防止策

政治

2018年7月21日 朝刊

 学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざんや自衛隊の日報隠蔽(いんぺい)などを受け、政府は二十日の関係閣僚会議で、再発防止策をまとめた。記録が残る電子決裁の拡充に加え、公文書の改ざんや組織的破棄など悪質な例は免職を含む懲戒処分を科すことを盛り込んだ。ただ、公文書の定義は見直さず曖昧なままで、文書を扱う公務員の判断によって、私的メモと位置付けられ、保存されない懸念が残る。

 決裁文書の事後修正は認めず、修正が必要な場合は新たな決裁を取り直すことを明文化。職員研修を充実させ、公文書管理への取り組み状況を人事評価に反映する。監視体制の強化として、特定秘密保護法の運用状況をチェックする内閣府の独立公文書管理監を、局長級に格上げし、全府省庁の管理状況を常時監視させる。各府省庁にも「公文書監理官(仮称)」を新設し、不正行為の通報窓口も担う。

 ただ、独立公文書管理監は特定秘密の業務との兼務。公文書監理官も他業務との兼務も可能で、どこまで公文書の管理に時間を割けるかは見通せない。

 政府は昨年末に改正した「行政文書の管理に関するガイドライン(指針)」で、省内や外部との打ち合わせ記録は行政文書として作成すると明記。「意思決定過程の検証に必要な文書」は保存期間を一年以上とした。ただ、どの文書が該当するかは各府省庁が決めるため都合の悪い文書を残さない可能性は残る。懲戒処分を恐れて、公務員が公文書を作成しなかったり、保存しなかったりする懸念もある。

 公文書管理法を見直し、公務員の業務に関わる文書はすべて公文書であると明確にすることも可能だったが、法改正は見送られた。梶山弘志行政改革担当相は二十日の記者会見で「ここで終わりではなく、これから実効性をいかに持たせるかだ」と話した。

 公文書管理に詳しい長野県短期大の瀬畑源准教授は再発防止策について「対症療法でしかない。文書を書かなければ改ざんする必要はなく、罰することは不可能。公務員が文書を作らなくなる傾向に拍車がかかる可能性もある」と指摘している。 (村上一樹)

 

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