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「共謀罪」法施行1年 廃止求める動き続く

政治

2018年7月11日 朝刊

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法は、十一日で施行から一年となった。この一年間、野党が廃止法案を提出し、各地の地方議会が廃止を求める意見書を可決するなど、廃止への動きが依然続いている。 

 改正法は昨年六月十五日に成立し、同七月十一日に施行。捜査機関による不当な監視や、一般の市民団体や労働組合の活動が事実上対象になりかねないなどの懸念が指摘されている。立憲民主、共産、自由、社民四党と衆院会派「無所属の会」は昨年十二月、改正法から共謀罪の部分を削除する法案(「共謀罪」廃止法案)を、衆院に共同提出。今年の通常国会で衆院法務委員会に付託されたが、審議されない状態が続いている。

 衆院は今月六日時点で、十八都道府県の四十一議会が可決した意見書(改正法の成立前に可決された意見書も含む)を受理。鳥取県北栄町議会の意見書が「撤回・廃止をし、改正前の状態に戻す」ことを求めるなど、多くの意見書が廃止や慎重な運用を求めている。

 法曹界も声を上げ続けている。日本弁護士連合会によると、全国に五十二ある弁護士会のうち四十一の弁護士会が改正法の成立に抗議し、廃止を求める声明や談話を発表している。

 一方、上川陽子法相は十日の記者会見で、この一年間に検察当局が「共謀罪」を適用した事例はないと説明。菅義偉(すがよしひで)官房長官は、テロなどの情報収集で国際社会との連携が容易になったと強調した。

 これについて日弁連秘密保護法・共謀罪法対策本部事務局長の山下幸夫弁護士は「適用されていないから問題がないということではない」と指摘。「安易な適用は許さないという市民の声が、法律の適用を限定的にし、市民運動や労働組合への適用を抑制する」と、国民が乱用をチェックし続けることが大切と訴えている。(清水俊介)

 

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