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共謀罪「合意だけで捜査可能」 準備行為前でも嫌疑

政治

2017年5月13日 朝刊

 犯罪の合意を処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案について、法務省の林真琴刑事局長は十二日の衆院法務委員会で「準備行為が行われる前でも任意捜査は許される」との見解を示した。これまで政府は「犯罪に合意しただけでは強制捜査や処罰はできない。合意に加えて準備行為がないと犯罪は成立しない」と強調してきたが、合意しただけの段階で任意捜査が始まることを認めた。野党からは「捜査機関の意思で、捜査の開始時期が何とでもなる」と懸念の声が上がった。

 公明党の浜地雅一氏の質問に対し、林氏は「犯罪の計画行為が既に行われた嫌疑がある状況で、準備行為が行われる確度が高いと認められるような場合は、手段が相当であれば任意捜査を行うことは許される」と述べた。

 過去の共謀罪法案の国会審議では、準備行為がない段階でも共謀しただけで逮捕や家宅捜索などの強制捜査が可能だとして野党などから強い反発が上がっていた。今回の法案で政府は「準備行為がなければ犯罪が成立せず、強制捜査はできない。過去の共謀罪とは別物だ」と強調していた。

 合意段階の任意捜査について、金田勝年法相は「成案を得てから説明する」と答えていたが、この日は、準備行為が行われて犯罪が成立する前でも嫌疑が生じ、任意捜査が認められる考えを示した。

 根拠として林氏は、薬物密売やすり、ひったくり、痴漢などの犯罪で任意捜査が行われている実態を紹介。林氏は「犯罪が多発する時間帯、地域など発生の確度が高いと判断される場合、嫌疑が認めることができる」として、犯罪が発生していない段階でも捜査が可能だとした。犯罪発生の確度が高いかどうかは「捜査機関が判断する」とした。

 また、金田氏はこの日、あらためて「一般の人に嫌疑が認められることはあり得ない」と強調。これに対し、民進党の山尾志桜里氏は「嫌疑が生じる前には、調査や検討が行われる。その対象には一般市民が入る。一般市民が捜査対象にならないから安心してというのは、砂上の楼閣でフィクションだ」と批判した。 (山田祐一郎、土門哲雄)

 

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