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土砂との闘い刻々 厚真捜索「見つけ出す一心で」

社会

2018年9月8日 夕刊

 多くの安否不明者がいる厚真(あつま)町吉野地区の土砂崩れ現場では、八日も懸命な救助活動が続いた。「私たちは見つけ出す一心で活動します」。捜索に参加する男性消防隊員が、今もまだ厚く地面を覆う土砂を見つめ、力を込めた。

 土のにおいが漂い、時折強い風が吹く現場では、徹夜で作業を続けた自衛隊員をはじめ、朝からは警察官、消防隊員らも加わり、百人以上で活動に当たった。七日から降っていた雨の影響で、水を含んで重くなった土砂を、スコップや重機で取り除いた。午前九時四十五分ごろには、不明者を運ぶための担架一台とブルーシートが運び込まれた。

 現場から百メートルほど離れたあぜ道では、一人の女性が祈るように口の前で両手を合わせ、救助活動を見守っていた。親族が一人、安否不明という。

 吉野地区に隣接する富里地区でも、年配の男女二人の救出作業が続いた。

 全二十七戸と小さい富里地区では、住民は互いを家族のように思っている。高台から作業を見守っていた自治会長の吉村正弘さん(65)は「厳しいことは分かっているが、早く見つかってほしい」と心配した。

 避難所に身を寄せた住民からも、行方不明の家族を案じる声が上がる。

 「奇跡が起きてほしい」。約百四十人が避難する町立厚真中央小学校で、苫小牧市の七十代男性が声を振り絞った。吉野地区に住む義理の弟夫婦と連絡が取れず、七日に町へ駆け付けた。

 義弟夫婦の家があった場所に行こうとしたが、付近は地盤が弱く安全が確保できないため立ち入らないように言われ、やむなく避難所で一夜を過ごし、情報を待っている。「(捜索隊に)任せるしかない。なんとか、今日中に見つけてくれないか」と祈るように話した。 (井本拓志、河北彬光、斎藤雄介、天田優里)

 

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