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停電で命の危機 病院「診療できない」

社会

2018年9月7日 朝刊

 北海道内の医療機関は、地震に伴う停電で深刻な影響を受けた。札幌市によると、酸素吸入器が止まったため、ゼロ歳女児が一時重症となる事態が発生。外来診療を止めたり、透析治療の中止に追い込まれたりする病院も続出した。医療関係者は「いつになったら復旧するのか」「じくじたる思いだ」と焦燥感をあらわにした。

 厚生労働省によると、道内で停電している病院は三百四十九カ所。道内に三十四ある災害拠点病院も全て停電したが、いずれも自家発電で対応している。水が使えなくなった病院も六十二に上った。被災地での救急医療や現地医療機関の支援に当たる災害派遣医療チーム(DMAT)二十六隊が活動している。

 札幌市によると、酸素吸入器が止まったのは停電の影響とみられる。女児は転院して治療を受け、重症の状態を脱した。市は重症となった経緯の確認を進めている。

 持病を持つ人にも影響が出ている。日本透析医会によると、道内の透析医療機関十六カ所で透析治療ができなくなった。六日の人工透析を取りやめた恵佑会札幌病院の担当者は「災害時に対応できずじくじたる思いだ。復旧すれば、今日の分まで患者の対応をしたい」と話した。

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 札幌白石産科婦人科病院(白石区)では六日午後、医師や看護師ら約四十人がランタンの明かりを頼りに診療や事務作業に当たった。

 同病院では分娩(ぶんべん)中に地震が発生。非常用電源設備が起動したため、母子ともに無事だったが、急患を除く外来患者の受け入れは中止した。約三十人の入院患者もいるが、非常用電源の燃料は、最大十四時間しかもたない。工藤剛・医事課長(45)は「燃料がなければ診療できない。一刻も早く電気が復旧しなければ命に関わる」と強調した。

 函館市内の特別養護老人ホーム「桔梗みのりの里」はオール電化の施設で自家発電機を使い、急場をしのぐ。入所する高齢者九十五人の体調に影響はないが、電力は主に消防設備や医療機器用の電源維持に充てるため調理器具には使えず、復旧まで缶詰で対応せざるを得ないという。三浦和夫(よりお)事務長は「これほど長い停電は初めて」と困惑した。

 

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