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関空孤立5000人、輸送開始 台風21号 死者11人に

社会

2018年9月5日 夕刊

臨時バスの停留所からつながる長蛇の列=5日午前7時45分ごろ、関西空港で

 台風21号の影響でタンカーが衝突して連絡橋が通行できず約五千人が孤立した関西空港で、うち約三千人の利用客らを神戸空港へ輸送する高速船の臨時運航が五日早朝から始まった。午前八時すぎからは緊急車両として連絡橋を通行するバス輸送も開始。関空はなお滑走路が浸水しており同日は全便が欠航、六日も閉鎖が続く見通しで、一日約八万人が利用する拠点空港の復旧のめどは立っていない。台風21号では新たに四人の死亡が判明、死者は十一人となった。

 関空では五日、滑走路の浸水がなお広範囲に及び、海から漂着したとみられるごみも目立った。運輸安全委員会は同日、船舶事故調査官三人を現地に向けて派遣した。首相官邸では早期再開を目指し、国土交通省などの担当者を集めた対策チームが設置された。

 警察や自治体への取材で、台風21号による死者は大阪府が八人。愛知、三重、滋賀各県が一人ずつとなった。総務省消防庁によると、五日午前六時十五分時点で、けが人は二十一府県の約二百九十人。

 関西エアポートなどによると、高速船は関空と大阪湾を挟んだ神戸空港を結ぶ百十人乗りの定期船。三隻でピストン輸送し、バスは関空第一ターミナルから南海電鉄泉佐野駅を結んだ。

 連絡橋には四日午後、大阪湾に停泊中だったタンカー宝運丸(二、五九一トン)が風に流され衝突。自動車用道路に亀裂が入るなどの被害が生じ通行不能となった。タンカーは五日午前三時すぎ、タグボートにえい航され、連絡橋から約四百メートル離れた海上へと移動した。運輸安全委の調査官は第五管区海上保安本部(神戸)から情報収集し、状況に応じてタンカーの衝突状況や乗組員への聞き取り調査を行う方針。

 関空は台風21号の影響による高潮で四日に滑走路やターミナルビルが浸水、全面閉鎖となり一部が停電した。利用客は空港で一夜を過ごした。取り残されたのは約三千人の利用者と関空職員ら約二千人。

 JR西日本によると、山陽新幹線は始発から平常通り運転している。JRと南海電鉄は関西空港を結ぶ区間について、当面運転を見合わせる。

 北海道の西を北上していた台風21号は五日午前九時ごろ、ロシア極東のサハリン付近で温帯低気圧に変わった。気象庁は、北海道では非常に強い風が吹き、夕方にかけて大しけになるとして警戒を呼び掛けた。

 台風に流れ込む暖かく湿った空気の影響で、大気の状態が不安定になったため、北日本と東日本では局地的に非常に激しい雨が降った。

◆最高潮位3.29メートル 第2室戸上回る

 台風21号の通過に伴って大阪湾周辺では四日、各地で潮位が上昇した。気象庁によると、大阪港で午後二時十八分に三・二九メートル、神戸港で午後二時九分に二・三三メートルを瞬間値で観測し、測定方法は異なるものの一九六一年の第二室戸台風で観測されたそれぞれ二・九三メートルと二・三〇メートルを上回ったという。

 和歌山県御坊市では午後零時四十八分に過去最高の三・一六メートルを記録。徳島県美波町で午後零時八分に二・〇三メートル、高知県室戸市で午前十時五十分に一・九四メートルを観測した。いずれの潮位も東京湾の平均海面が基準になっている。

 

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