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関空孤立客脱出 不安な一夜疲れ果て 空調効かず コンビニ2時間行列

社会

2018年9月5日 夕刊

 台風21号の影響で関西空港に孤立した利用客らは五日早朝から、高速船で神戸空港に順次輸送された。疲れた表情の利用客からは安堵(あんど)の声がこぼれた一方、「関空が災害に全く対応できていない」と憤りの声が聞かれた。関西を中心に強風の爪痕は大きく、窓ガラスが割れた百貨店などが休業を余儀なくされた。首都圏にも被害が出た。

 家族とインド旅行に行く予定だった岡山市の主婦妹尾秀子さん(51)によると、停電で空調が効かないため暑かった。喉が渇いて飲み物を求めても、コンビニには二時間以上の列ができていたという。

 「災害時に使えるはずの自動販売機も無線LANも使えなかった。高速船が出ることすら知らされず、職員もインフラも災害に全く対応できていない」。妹尾さんは不満をあらわにした。

 毛布などの物資も足りなかった。新聞を敷いて床に寝る人もいた。友人二人とタイ旅行に行く予定だった大阪府池田市の会社員山田美樹さん(25)は、関空のカフェのソファで一夜を明かした。「情報がなく不安だった」と振り返り、ほっとした様子だった。

 約百人を乗せた高速船第一便は五日午前六時五十分ごろ、神戸空港に到着した。高速船は約三十分の間隔で次々に出発。関空側の船乗り場には長蛇の列ができ、座り込んでいる人も。神戸市の男子大学生(19)は「高速船には午前四時ごろから列ができ、並んだので全然眠れなかった」と疲れ果てていた。

 一方、関空対岸の南海電鉄泉佐野駅のロータリーには、バスで運ばれた利用客らが到着。百人以上が重い足取りでタクシー乗り場に列を作った。

 中国・広州に出張予定の名古屋市の会社員青木嘉隆さん(50)は「電車で成田空港に向かって別の便に乗らないといけない」と肩を落とした。

 

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