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ケフィア破産、負債1053億円 手続き開始決定 被害3万3000人

社会

2018年9月3日 夕刊

ケフィア事業振興会の本社前で破産を知らせる張り紙を見る男性=3日午前、東京都千代田区で

 加工食品のオーナー制度を展開し、巨額の支払い滞納を指摘された「ケフィア事業振興会」(東京都千代田区)と関連会社三社は三日、東京地裁に破産を申し立て、手続き開始決定を受けたと明らかにした。負債総額は三社と合わせて計千五十三億円。債権者は約三万三千人で、大半はオーナーになった個人とみられる。破産管財人は内田実弁護士が選任された。

 ケフィアは、会員制通販サイトで主に食品を販売したほか、顧客にダイレクトメール(DM)を送り、干し柿やメープルシロップなどの事業でオーナー制度を展開。一定額を支払って干し柿などのオーナーになれば、数カ月後に利息分を足して支払うと勧誘し、多額の契約を結んだ。しかし、遅くとも昨年十二月以降、契約者への支払いが滞っていた。

 ケフィアが三日に発表した資料によると、昨年七月には会員約四万五千人、売上高は千四億円。破産申し立てをした理由について「新規事業の多くが低調で収益をあげられず、システムの不具合によって支払いが遅滞するトラブルが急増した。報道や弁護団結成で信用が悪化し、多数の契約解除などの事態を招き、資金繰りが逼迫(ひっぱく)した」としている。消費者庁によると、全国の消費生活センターには過去約一年間に千四百件超の相談が寄せられ、同庁は八月三十一日、巨額の消費者被害の恐れがあるとして注意を呼び掛けていた。

 契約者の弁護士らは「ケフィアグループ被害対策弁護団」を結成。二日に東京都内で説明会を開き、約六十社あるとみられる関連会社の取引、資金の流れの解明を進めるほか、出資法違反や詐欺に当たる可能性があるとして警視庁への刑事告訴を検討していることを明らかにしていた。

◆出資者「だまされた」

 「こんなことに…」「だまされた」。加工食品のオーナー制度を展開した通信販売会社「ケフィア事業振興会」の破産申し立てを受け三日、東京都千代田区の本社前に集まった出資者らは動揺を隠せなかった。

 宇都宮市の無職の男性(78)は二、三年前から一千万円以上をケフィアに出資していた。弁護団の説明会が二日に開かれたというニュースを知り、朝一番で東京へ。「本当にびっくり。こんなことになるなんて…」と言葉を失っていた。

 四百万円を出資したという山梨県北杜市の無職の男性(74)は「支払金の遅延について聞きに来たら、いきなり破産と知らされた。だまされたなと思う」と落胆した様子だった。

 東京都内に住む介護職の女性(81)は六十万円の被害に遭った。本社玄関先の自動ドアに張ってある破産決定の紙を前に「うまい逃げ方だな」とあきれ顔だった。

 

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