月の南極(左)と北極に確認された氷の位置(青色部)=NASA提供
米航空宇宙局(NASA)は二十二日までに、月の南極と北極に氷があるのを観測したと発表した。これまでも月表面に水が氷の状態で存在する可能性は指摘されていたが、直接確認することができたのは初めて。
月の氷は月面基地で用いる水だけでなく、ロケットの水素燃料などの原料となる可能性もある。米国が中心となって進める新たな有人月面探査に勢いがつきそうだ。
NASAや米ハワイ大などのチームは今回、インドが二〇〇八年に打ち上げた月探査機「チャンドラヤーン1号」で観測した月表面のデータを分析。氷は南極付近のクレーターに集中し、北極付近では広い範囲にまばらに散らばっていた。クレーターの影で太陽の光は届かず、温度は零下一五七度よりも低いという。
これまでも水の存在を示す間接証拠が得られてきたが、今回は水が氷の状態で存在することを確かめた。