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溶接不良核燃料 3万2434体を使用 カバー欠損は325体

社会

2018年8月22日 夕刊

 全国の原発のうち、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型原発で二〇一二年以降、燃料棒を束ねた燃料集合体を覆う金属カバーに欠損が相次ぎ判明した問題で、原子力規制委員会は二十二日の定例会合で、欠損の原因となった溶接の問題があったカバーは、六電力会社の使用済み燃料集合体約計三万二千四百三十四体で使われていたとの集計結果を公表した。東電が最多の一万九千四百三十二体。六社の計三百二十五体で欠損が生じていた。

 各社から調査報告を受けた規制委は、欠損のあった部品が脱落する可能性は低く、仮に原子炉内などへ落ちても、燃料や制御棒の安全に影響が生じる可能性も低いとしている。一方、カバーの溶接に問題があった未使用の燃料集合体は計四千七十体だった。今後これらの燃料を使用するかは各社が判断すべきで、規制委は各社の点検状況をチェックするとの方針を決めた。

 六社は東北、東京、中部、北陸、中国の各電力会社と日本原子力発電。東北電の女川3号機(宮城県)で一二年七月、カバーの上部が二センチほど欠けていたのが発覚。当時の規制当局の旧原子力安全・保安院が指示し、欠損については各社が個別に結果を公表していた。

 規制委の集計では、東電の他に、カバーの溶接に問題があった燃料集合体の使用数の内訳は、中部電が五千八百六体、東北電二千六百十一体、中国電二千二百五十一体、日本原電千六百四十九体、北陸電六百八十五体だった。

 燃料集合体の金属製カバー 燃料集合体が装填(そうてん)された原子炉内は運転中は冷却水で満たされている。カバーと燃料集合体の間には隙間があり、冷却水の通り道になっている。カバー上部には、工具を取り付ける三角形の部品「クリップ」があり、カバーの取り外しに使う。東日本大震災後の2012年、東北電力女川原発3号機でクリップに欠損が発覚。当時の規制当局が、同じ沸騰水型原発を持つ5社にも調査を指示した。西日本の原発に多い加圧水型は原子炉の構造が違い、燃料集合体にカバーは取り付けられていない。

 

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