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患者3人目殺害容疑で逮捕 横浜・中毒死 元看護師、混入認める

社会

2018年8月19日 朝刊

 横浜市神奈川区の旧大口病院(現横浜はじめ病院)で二〇一六年九月に起きた点滴連続中毒死事件で、神奈川県警は十八日、入院患者の興津(おきつ)朝江さん=当時(78)=の点滴に消毒液を混入して殺害したとして、殺人容疑で同病院の元看護師、久保木愛弓(あゆみ)容疑者(31)を再逮捕した。一六年九月に死亡した西川惣蔵さん=同(88)、八巻信雄さん=同(88)=に続き、殺人容疑で三人目の立件となる。

 逮捕容疑は日勤だった一六年九月十五日午前七時四十五分〜午後五時半ごろ、四階ナースステーションに置いてあった興津さんの点滴袋に消毒液を混入し、別の看護師に十六日午前に点滴を投与させ、同日午後一時四十分ごろ、興津さんを死亡させたとされる。

 捜査関係者によると、興津さんは当初、病死と診断された。遺体はすでに火葬されていたが、容体が急変するなど死亡の経緯に不自然な点があったことから、県警は保管されていた血液を鑑定し、消毒液に含まれる界面活性剤の成分が検出された。久保木容疑者は調べに、興津さんへの消毒液混入を「間違いありません」と認めており、立件可能と判断した。

 興津さんは転倒による膝のけがで九月十三日から入院していた。久保木容疑者はこれまでの調べに「患者が亡くなった際の遺族への説明が苦手で、自分の勤務外に死んでほしかった」などと供述しているが、西川さんら二人と異なり、興津さんは一人で歩行でき、終末期患者ではなかった。県警は興津さんを狙った動機の解明などを進めている。

◆「この病院はおかしい」不安口に 興津さん、直前まで元気な姿

 興津朝江さんは旧大口病院に入院し、死亡直前まで元気な様子を見せていた。多数の入院患者が亡くなることに、「人がどんどん死んでいく」「この病院はおかしい」と不安を口にしていた。

 興津さんが住んでいたアパートの大家によると、二〇一二年十二月ごろに転居してきた。一人暮らしで猫を飼い、野良猫の世話も。家賃を納めるため、毎月、アパートの裏にある大家の自宅まで長い階段を上れるほど健康だった。大家は「体調を崩したことはほとんどないはずだ」と話す。

 親族によると、興津さんは膝の擦り傷が化膿(かのう)したため、一六年九月十三日に大口病院に入院。十四日に見舞いに訪れると、病室がある四階から一階まで階段で下りて見送ってくれるほど元気だった。親族は「なぜ殺害されたのか。本当のことを知りたい」と望んだ。

 

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