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自販機大手求人、紹介中止を 都内職安に都労委が通報

社会

2018年8月18日 朝刊

 東京都労働委員会が都内の複数のハローワーク(公共職業安定所)に対し、飲料の自動販売機事業大手でサントリーのグループ会社「ジャパンビバレッジ東京」(東京)に求職者を紹介しないよう通報したことが十七日、労働組合への取材で分かった。労組は未払い残業代などを求めてストライキを実施しており、都労委の通報は、新規雇用によるストの無効化を防ぐ狙いとみられる。

 社員の一部が加入する労組「総合サポートユニオン」によると、八月はじめまでに、職業安定所の中立性を定めた職業安定法により、組合員らが働く都内の三支店を所管するハローワークに通報された。この種の通報は珍しく、同労組によると、都労委は「十年以上ぶり」と説明したという。

 同法二〇条は「求職者を無制限に紹介することで、争議の解決が妨げられる場合は紹介してはならない」としている。会社が新たに社員を雇い、スト実施職場に充てることで、組合員が不利益を受けるのを避ける規定だ。

 争議は昨年九月、ジャパンビバレッジ東京の自動販売機の飲料補充や保守を担当する従業員が、残業代の支払いや休憩時間の確保などを要求した。昨年十二月には、自販機の保守担当社員らに適用されていた「事業場外みなし労働時間制」について、労働基準監督署が「無効」と判断。

 労組と会社側は団交を重ねたが、会社側は「未払い残業代はない」と応じず、労組が四月以降、残業拒否や一部職場でのストライキを実施した。

 ジャパンビバレッジ東京の親会社「ジャパンビバレッジホールディングス」は取材に事実関係をおおむね認め「国の中立性を保つ措置で、違法行為によって制裁的に停止されたものではない」とコメントした。同ユニオンは、今後は民間の求人紹介サイトでの募集停止も求めていくという。

◆労働者の権利守る

<労働問題に詳しい佐々木亮弁護士の話> 今回の措置は非常に珍しく、労働者の権利を守るためにとても意義があると言える。今後の労働力不足が懸念される中、従業員を確保することは企業にとって最重要課題だ。一部ハローワークの求人だけであっても、それを断たれるダメージは企業にとって大きい。企業のイメージが悪化する可能性もある。

 

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