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契約者へ未払い50億円 都内の通販会社、食品オーナー制で

社会

2018年8月17日 朝刊

 干し柿やメープルシロップなど、加工食品製造事業の「オーナー」を募り、多額の現金を集めた通信販売会社「ケフィア事業振興会」(東京都千代田区)が、多くの契約者に対する支払いを滞らせていることが十六日、契約者や弁護士への取材で分かった。弁護士らによると、滞納額は判明しているだけで計約五十億円に上る。

 ケフィアが契約者に送った資料によると、昨年七月までの一年間の売上高は約一千億円。東京商工リサーチによると、ほとんどはオーナー制度による出資とみられ、大規模な消費者被害になる恐れがあると指摘している。

 ケフィア側は取材に、支払いが一部で滞っていると認めた上で「システム移行に伴うトラブルが理由で、影響を受けた契約者は百七十三人だけ」と説明。しかし、国民生活センターには昨年十一月〜今年五月、五百八十八件の相談があった。

 契約者の弁護士らが結成した被害対策弁護団にも「支払いがない」との相談が、鳥取、徳島以外の四十五都道府県から計約七百件、約五十億円分あった。弁護団の一人は「出資金を支払いに回す自転車操業状態の可能性がある」と話している。

 ケフィアは、会員制通販サイトで主に食品を販売するほかに、顧客にダイレクトメール(DM)を送り、オーナー制度を展開。例えば干し柿の事業では、一口五万円でオーナーを募り、長野県の関連会社で干し柿を製造し、七カ月後にケフィアが商品を買い取ってオーナーに五万五千二百五十円を支払うと勧誘した。果物ジュースやロブスターなど、さまざまな加工品で類似の事業を展開した。

 複数の契約者らによると、支払いは昨年十一月ごろから相次いで停止。ケフィアは契約者へのDMで「旧来コンピュータシステムの運用でデータ処理に時間を要し、改良システム導入後も大きな障害が続いている」と説明。五月以降に順次支払うとしていたが、多くはその後も支払いがない。

 六月には一部の契約者に、DMで「五月末の支払い予定額を、別の契約に振り替えれば、来年八月に15%の利息をつけて支払う」と勧誘していた。

 ほかにも、「新システムへ移行するサポーター」と称し、一口三十万円を五年間預ければ年8〜10%の利息を支払うという募集もあった。

 

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