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告発側「国民の代表欺いた」 国会審議妨害疑い 佐川元局長捜査

社会

2018年8月16日 朝刊

佐川宣寿氏

 「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、東京地検特捜部が弁護士からの刑事告発を受け、佐川宣寿(のぶひさ)・元理財局長(60)を偽計業務妨害の疑いで捜査していることが関係者への取材で分かった。改ざん文書が国会審議に与えた影響が罪に問えるかが焦点となる。

 佐川氏は大学教授から、文書の改ざん自体が問われる虚偽公文書作成容疑などでも告発を受けていたが、大阪地検特捜部は五月、嫌疑不十分で不起訴とした。今回の偽計業務妨害容疑の告発状は、改ざん文書を真正な文書のように装って国会に提出し、国会質問など議員の業務を妨げたことが罪に当たると指摘している。

 特捜部は、改ざんの中核的役割を担った当時の理財局総務課長、中村稔・官房参事官(52)についても、偽計業務妨害容疑での告発を受け、捜査を始めた。

 二人を告発した弁護士は、本紙に「国民の代表を欺いた罪は重い」と話した。

 森友学園に国有地が約八億円値引きされて売却された問題は、昨年二月上旬に発覚。安倍晋三首相の妻昭恵氏の関与が取り沙汰されたが、首相は同月十七日の国会で「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」と答弁した。

 財務省の調査報告書によれば、首相答弁後に理財局職員が決裁文書の確認を進めたところ、昭恵氏の名前や政治家からの照会が記載されていたため佐川氏に相談。佐川氏が「このままでは外に出せない」と発言したことを受け、職員らは同月下旬から四月にかけ、広範囲で文書を改ざんした。改ざんされた決裁文書は五月八日、参院予算委員会に提出された。

 国会ではこの間、野党が昭恵氏の関与などを追及したが、佐川氏は「記録は廃棄した」と答弁し続けた。

 佐川氏は七月に国税庁長官に栄転。今年三月の改ざん発覚を受け、辞任した。

 

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