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時代を巡り はとバス70年 戦後の観光 多彩な企画力で集客

社会

2018年8月14日 夕刊

迎賓館赤坂離宮で停車中の新日本観光(現はとバス)のバス。創業した1948年撮影=はとバス提供

 東京巡りの代名詞「はとバス」が14日、設立から70年を迎えた。バスガイドの案内で都心を中心に回る「東京観光」はこれまでに延べ5000万人以上が利用。近年も話題のスポットが次々と登場し好調な客足が続く。2020年の東京五輪・パラリンピックが一段と追い風になりそうだ。

 はとバスの歴史は戦後東京の歩みと重なる。前身会社「新日本観光」が設立されたのは、戦後の経済復興が本格化し始めた一九四八年。翌年、五人のガイドを採用して定期観光バスの運行を始めた。車体にあしらったハトのマークに合わせて社名を「はとバス」に変更したのが六三年だ。

JR東京駅前を走る「はとバス」=10日

 JR東京駅丸の内口。乗降場所に並ぶ黄色いバスが、赤れんがの壁に映える。はとバスは人目を引くよう七九年以降に導入した車両から黄色で統一。コースも時代時代で趣向を凝らし、浅草や東京タワーを巡る定番に加え、怪談を聞くコースや、新宿・歌舞伎町のホストクラブを明朗会計で楽しむコースなどユニークな企画を打ち出してきた。

 東京観光の年間利用者数が最も多かったのは六五年六月期で約百二十三万人を記録した。六四年に開催された東京五輪の効果で、大会の会場となった競技場などを巡るコースに観光客が押し寄せた。

 九〇年代に入り、バブル経済崩壊後は低迷期が続いたが、一三年六月期は東京スカイツリーなどの開業が起爆剤になり二十年ぶりに九十万人を突破し、勢いを取り戻した。

 その後も国立西洋美術館の世界遺産登録や複合商業施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」の開業と、話題に事欠かない。北陸や北海道新幹線の開通は地方の観光客も呼び込み、東京観光の利用者は一八年六月期も八十九万人台と好調を持続。残業を少なくする働き方改革や、夜の時間を有意義に使って娯楽を楽しもうという機運の高まりで夜のコースの利用者も年々増えている。

職員の説明を受けながらバスに乗り込む観光客=10日、JR東京駅前で

 現在の一番人気は、オープンカー式の二階建てバスでお台場に架かるレインボーブリッジや銀座の歌舞伎座を一時間かけて回るコース。照明に浮かび上がった夜の工場を夜景として鑑賞するコースも好評だ。

 はとバスの人気を支えるバスガイドは現在約百六十人。同社の担当者は「普段は通り過ぎる場所も、ガイドと巡れば新たな発見があります」と魅力をアピールする。

 ◇ 

 はとバスは創立七十周年を記念したコースを用意。土日を中心に、七千七百七十〜九千九百八十円。

 

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