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電通に罰金50万円 簡裁判決「違法残業が常態化」

社会

2017年10月7日 朝刊

東京簡裁の判決を受け、目頭を押さえながら会見する高橋まつりさんの母幸美さん=6日午後、東京・霞が関の厚労省で

 広告大手電通(東京)の違法残業事件で、労働基準法違反罪に問われた法人としての電通の判決公判が六日、東京簡裁であった。菊地努(つとむ)裁判官は「違法な長時間労働が常態化していた」として、求刑通り罰金五十万円を言い渡した。

 判決理由で、新人社員高橋まつりさん=当時(24)=が過労自殺し、労災認定されたことについて「尊い命が奪われる結果まで生じていることは看過できない」と批判。電通について「日本を代表する企業として、労働環境の適正化に率先して取り組むべき立場だった」と指摘し、「労働者の増員や業務量の削減など労働時間削減のための抜本的な対策を講じなかった。事件はその一環で生じ、刑事責任は重い」と述べた。

 閉廷後、山本社長は報道陣に「判決を厳粛に受け止め、責任の重大さを改めて痛感している」と述べた。

 判決によると、電通では二〇一五年十〜十二月、高橋さんら社員四人に労使協定(三六協定)で定めた月五十時間を超え、三時間三十分〜十九時間二十三分の時間外労働をさせた。

 公判を巡っては、検察が当初、書面だけの審理で罰金刑を科す略式手続きを求めたが、簡裁は「不相当」として、公開の法廷で審理することを決めた。

<電通の違法残業事件> 2015年4月に入社した高橋まつりさん=当時(24)=が同年12月に東京都内で自殺。三田労働基準監督署は16年9月、長時間労働が原因だったとして労災認定した。厚生労働省が今年4月までに、法人としての電通と、高橋さんの上司を含む本支社幹部らを書類送検。検察は7月、高橋さんら従業員計4人に違法残業をさせたとして電通を略式起訴し、幹部6人を不起訴処分とした。

 

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