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iPS創薬の治験着手 骨の難病 京大が世界初

社会

2017年10月6日 朝刊

 患者の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いて京都大の研究チームが見つけた、骨の難病の治療薬候補について、京大病院は五日、一例目の臨床試験(治験)に着手したと明らかにした。京大によると、iPS細胞を使って発見した薬の世界初の治験。

 難病は、筋肉や靱帯(じんたい)などの中に骨ができ、手足の関節の動きが悪くなり、呼吸筋に影響が出ると呼吸困難になることもある「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」で、一例目の患者は兵庫県明石市の山本育海(いくみ)さん(19)。

 京大病院で五日、体の機能を確かめる診察を受け、治療薬候補を受け取った後、報道陣の取材に応じ「まだまだ先のことだと思っていたので感謝している」とほほ笑んだ。さらに「(闘病という)神様からの宿題を解くのは難しい」と心境を話した。

 京大チームは、これまでFOP患者から提供してもらった細胞から作製したiPS細胞で、病気の特徴を持った細胞を作り、さまざまな薬の候補物質を加えて効果などを分析。ラパリムス(別名ラパマイシン)という商品名で既にリンパ脈管筋腫症の薬として販売されている物質を、治療薬候補として見つけた。

 新たな疾患への適用となるため、安全性や有効性を検証する治験が必要となり、九月から患者登録を開始。山本さんはこれまで皮膚の細胞を提供するなど研究に協力しており、治験に参加することにも同意した。

 治験を主導する京大病院の戸口田淳也医師は「山本さんには感謝している。これから治験のルールに従って進めていきたい」と述べた。

 治験の対象は六歳以上六十歳未満の患者二十人で、東京大、名古屋大、九州大の各病院でも実施する予定となっている。

 

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