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調布小型機墜落 人的ミスが濃厚 58キロ重量超過 機首上げ続けて失速

社会

2017年7月19日 朝刊

2015年7月、東京都調布市の住宅に墜落し、大破した小型プロペラ機

 東京都調布市で二〇一五年七月に小型機が住宅地に墜落し、八人が死傷した事故で、運輸安全委員会は十八日、調査報告書を公表した。機体重量が規定を超えた状態で十分に加速せずに離陸した上に、機長が空中で操作を誤り機首を上げ続けたため失速したことで事故につながった可能性が高いと結論づけた。 (皆川剛、鈴木貴彦)

 報告書などによると、五人搭乗の単発プロペラ機パイパーPA46は一五年七月二十六日午前、調布飛行場を離陸し、地上二十七メートルまで上昇した後、速度が低下し機体を左に傾けて降下。離陸から二十六秒後に、本来の飛行コースから外れた住宅地に墜落し、機長と搭乗者、住民の三人が死亡、五人が重軽傷を負った。

 委員会は、小型機の総重量がこの機種に定められた最大離陸重量を約五八キログラム超過する約二〇〇八キログラムだったと推定。重心は過度に後方にかかっていた。機長は飛行前、同乗者に体重の聞き取りをしておらず、法令で定められた重心の計算をした形跡もなかった。

 機体は八百メートルの滑走路のうち百七十メートルを残したまま、規定の時速一四四キロより約九キロ遅い速度で離陸。その後、機首を下げて速度を上げねばならないところを、機首を上げる操作を繰り返して空気抵抗が増し失速した。墜落直前も機首は上向きだったとみられる。

 他方、事故機と同条件で行ったコンピューター上の飛行実験では墜落に至らず、エンジンの出力低下の疑いも検討された。だが、焼損したエンジンを分解しても異常は見つからず、報告書では「不具合は明らかにできなかった」とした。その上で「機長に危険性の認識、法令順守の意識が十分でなかった可能性がある」と人的過失を指摘した。

 

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