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猫の下部尿路疾患 水分摂取で予防して

にゃんとワンポイント

2018年3月31日

下部尿路疾患の予防には、普段から飲む水の量が減らないよう気を配ることが重要だ

 結石症や膀胱炎(ぼうこうえん)など、膀胱から尿道にかけての下部尿路疾患は猫の宿命ともいわれます。これは祖先であるリビアヤマネコの体質が関係しています。

 リビアヤマネコは乾燥した砂漠地帯に生息していたため、少量の飲み水を効率良く利用するため腎臓で尿を濃縮していました。生活環境が異なる現在もなお猫はその体質を受け継いでいるので、尿の濃縮に伴い尿中のミネラル成分も濃縮され、結石症などの病気になりやすくなります。

 寒さや、運動不足、肥満、多頭飼育によるストレスなどに起因して飲む水の量が減ることも、下部尿路疾患の要因になります。下部尿路疾患により、尿の排せつがうまくいかなくなると、腎臓に負担がかかり、腎不全に移行してしまうこともあります。

 腎臓は一度壊れると再生しませんので、日頃からの予防が重要になります。食事や体重の管理、キャットタワーなどを利用した垂直運動が可能な環境の整備、トイレ容器や砂の種類と、配置場所の見直しなどに加え、飲む水の量を増やす工夫をするとよいでしょう。

 例えば、水飲み用の食器の数を増やし、人の往来の少ない静かな場所や、猫の通り道などに置いてみる。あるいは、食器の材質変更や循環式給水器を使うのもよいでしょう。また、ドライフードから水分含有量の多いウェットフードに切り替える方法もあります。

 猫にもそれぞれ好みがありますので、反応を見ながら工夫してみてはいかがでしょうか。

 治療の一環として飲む水の量を増やさなければならない場合は、かかりつけの獣医師に相談しましょう。日頃から積極的に健康管理に気を配り、定期的な尿検査の受診をお勧めします。

 (成沢千香=獣医師、専門学校講師)

 

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