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<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士> 地代1.5倍値上げ 地主が突然要求

悩みの小部屋

2018年8月18日

<お悩み> 父は約30年前に借地に家を建てて住み、10年前に他界しました。家は私が相続し、住んでいます。先月、地主が突然「地代を1.5倍にする。同意できない場合は裁判を起こす」と言い出しました。地代は父が契約した当時から変わっていません。私は年金暮らしなので、地代が上がると生活が苦しくなります。地主の要求に応じないといけませんか。 (東京・無職 70歳)

◆まず根拠を尋ねて

<お答え> 年金でお暮らしの中、地代の値上げは不安があるでしょう。

 地代は地主(貸主)と借り主の合意で決まります。しかし一度決めた地代をその後も変えないままとするのが妥当とは限りません。土地の賃貸借の多くは長期間となり、時間がたつにつれて土地の価値や固定資産税額などが変わるからです。約三十年前に決めた地代が今ではふさわしくないことも考えられます。

 借地借家法一一条一項は、地代が不相当となった場合、相当な賃料への増額または減額を請求できると定めています。地代が不相当かどうかは、(1)土地の固定資産税などの増減(2)地価の上昇や下落その他の経済的な事情の変動(3)その土地の周辺にある類似した土地の地代−などを考慮して判断します。相談者の場合は地代が一・五倍に値上げされるとのことですから、まずは地主にその根拠を尋ねてみてください。

 また、借り主が地代の増額を拒んでも、地主はいきなり裁判を起こすことはできません。そもそも賃貸借契約で地代を一定期間増額しないとの特約が定められている場合は、その期間の増額は認められません。

 特約がなくても、地主は裁判を提起する前に調停で借り主と話し合う必要があります。地代の増減は、賃貸借の継続が前提ですから、双方の合意できる地代を決めることが望ましいためです。

 なお、地代の増額を争う場合でも、あなたが相当と考える地代は支払ってください。そうでないと地主から賃貸借契約を解除されるおそれがあります。地主が増額した地代全額でないと受領しないと言う場合は、供託所への供託をご検討ください。交渉が難しい場合には弁護士への相談をお勧めします。

 

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