XMenu

<法律お助け隊 今野久子弁護士> 会社が倒産状態 未払い賃金どうなる

悩みの小部屋

2018年6月30日

<お悩み> 社員約20人の出版社で約10年働きました。ここ数年売り上げが落ち、昨夏からは給与も遅配となりました。このため3月末に退職しましたが、契約社員で退職金もありません。私の未払い賃金は5カ月分になります。問い合わせたら、会社は倒産状態で、労働基準監督署に手続きをしたとか言っておりましたが、よく分かりません。諦めるしかないのでしょうか。 (東京都・無職 52歳)

◆立て替え払い制度、活用を

<お答え> 労働者の生活を守るために、未払い賃金の一部を政府が立て替える「未払賃金の立替払制度」があります。これは「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づく制度。実際は「独立行政法人労働者健康安全機構」が立て替えます。

 制度を利用できるのは労災保険法の適用事業の事業主に雇用され、倒産に伴い賃金が未払いのまま退職した人です。

 さらに要件となるのが、倒産の六カ月前の日から二年の間に退職した人です。倒産の基準日は、裁判所への破産手続き開始などの申立日(法律上の倒産)、または労働基準監督署(労基署)署長に対する事実上の倒産の認定申請日(事実上の倒産)があります。

 あなたが勤めていた出版社は、破産申請などはしていないので「事実上の倒産」を説明します。これは中小企業について、立て替え払い請求者の申請を受け、労基署署長が(1)企業が倒産し事業活動が停止し(2)再開する見込みがなく(3)賃金の支払い能力なしと認定した場合です。

 立て替え払いが認められるには退職後六カ月以内に、破産手続き開始などの申し立て、または労基署署長に認定申請がなされなければなりません。

 その上で破産管財人などの証明または労基署署長の確認通知書を受け取り、請求書に必要事項を記載して、労働者健康安全機構に送付します。

 立て替え払いの対象となる賃金は、退職日の六カ月前の日から機構に対する請求日の前日までの間に支払期日が到来している定期的な賃金と退職金です。支払われる金額は未払い賃金総額の八割です。退職日の年齢による限度額の制限もありますが、一定の賃金は確保できます。労基署で相談されることをお勧めします。

 

この記事を印刷する