XMenu

<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士> 妻が離婚求め調停 婚姻費用決め方は

悩みの小部屋

2018年6月16日

<お悩み> 定年退職後に結婚しました。妻は無職で子どもはいません。生活費は私の企業年金で賄っています。なお、私は公的年金の受給資格がありますが、生活は維持できるので受給を先延ばしにしています。妻が先日、家を出て、離婚と婚姻費用の支払いを求め、調停を申し立てました。突然の申し立てに驚いていますが、婚姻費用はどのように決めるのでしょうか。 (東京・無職 63歳)

◆話し合い 審判も

<お答え> 婚姻費用とは、結婚生活を送るのに必要な費用全般のことで、生活費や教育費、医療費などを指します。

 夫婦は生活を維持できるように互いに援助する義務(扶養義務)があります。このため、一方が離婚を求めて別居した場合、婚姻費用の支払いが問題となります。どちらがいくら負担するかは、それぞれの仕事や収入の金額などに応じて決まります。家庭裁判所は婚姻費用の算定基準を設けており、算定表が裁判所のホームページに掲載されています。

 婚姻費用を算出するための「収入」は、必ずしも手取り収入だけではありません。

 あなたの妻の場合を検討します。専業主婦で、病気などで働くことができない場合は「収入」が無いと考えるのが妥当かもしれません。しかし働くことができるならば、同性の同年代の平均賃金を「収入」とすることが妥当な場合もあるでしょう。

 一方、あなたは公的年金(老齢厚生年金の報酬比例部分)の受給資格があるのに、受給を先延ばしにしています。生活が苦しいのに、先延ばしにした場合は問題となります。あなたの妻が苦しい生活から逃れるため、公的年金を受給することに正当な期待があるとして、受給していない公的年金も「収入」に含めることがありえるからです。

 ただ、あなたの場合は、受給している企業年金だけで生活を維持できています。妻が公的年金も「収入」に含まれると主張してきても、正当な期待がないと反論できるかもしれません。

 調停では、婚姻費用の金額を話し合いで決めます。双方が合意できない場合は家庭裁判所が審判で決めます。

 話し合いが進まない場合には弁護士へのご相談をお勧めします。

 

この記事を印刷する