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<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 分譲マンションの用途違反どうする

悩みの小部屋

2018年5月19日

<お悩み> 分譲マンションの管理組合の理事を務めています。最近、ある部屋で塾を経営していることが分かりました。管理規約で、専有部分は住居として使うと定めています。理事会として、部屋の持ち主に、規約違反なのでやめてほしいと要望しました。しかし「他にも住居以外として使っている人がいる」などと取り合ってくれません。どうすればよいでしょうか。 (東京・会社員 45歳)

◆管理組合の対応次第

<お答え> マンションは、住居としての生活環境を保つため、管理規約に建物の利用は居住目的に限る(住居専用規定)と定めていることがよくあります。ただしこの規定があっても、事務所などとして利用する部屋が混在するマンションがあります。

 区分所有者の「共同の利益に反する行為」がなされた場合、管理組合は、その行為の停止、予防のために必要な措置などをとることができます(建物の区分所有等に関する法律五七条)。

 そこで、管理規約に違反する利用が「共同の利益に反する行為」に当たるかどうかが問題となります。

 裁判では、マンションの一室を税理士事務所にしていた事例について、事務所としての利用差し止めを認めた例があります(東京高裁二〇一一年十一月二十四日判決)。一方で、多数の住居で用途違反があるのに、それを長期間放置したまま、特定の区分所有者の用途違反に対して差し止め請求をするのは権利の乱用に当たるとして、差し止めを認めなかった例もあります(東京地裁〇五年六月二十三日判決)。この他、託児所としての利用に対して差し止めを認めた事例もあります(東京地裁〇六年三月三十日判決)。

 つまりマンション全体の利用実態、迷惑の大きさ、用途違反に対する管理組合の対応などによって、判断が分かれているといえます。

 質問では、用途違反の住居が多数見られるような状況がなければ、差し止めが認められる可能性が高いといえるでしょう。実態をよく調べた上で、弁護士に相談して対処することをお勧めします。

 また、問題が起こってから困らないように、管理組合として日頃から用途違反は認めないことを周知しておくことも大切です。

 

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