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<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士> 高1の息子が万引。退学は不可避?

悩みの小部屋

2018年2月3日

<悩み> 息子は公立高校の1年生です。先日、友人と一緒に、コンビニエンスストアでお菓子などを万引しました。店員は私と学校に連絡。学校は息子の行動を問題視し、息子に自主退学を勧告し、応じないならば退学処分にすると言いました。息子は初めての万引で反省しています。退学は避けられないのでしょうか。 (東京・主婦 52歳)

◆厳しすぎる処分訴訟も

<お答え> 息子さんは今後も今の学校に通うことを望んでいますか。まず、この点を確認し、息子さんが退学を望まない場合には、学校に自主退学に応じないことを伝えてください。

 ただ学校は自主退学に応じない場合は退学処分にするとのことなので、息子さんの退学が認められる事実かどうかが問題となります。

 校長および教員は教育上必要がある場合には生徒に対して退学、停学、訓告といった懲戒を加えることができます(学校教育法一一条)。

 ここでいう「教育上必要がある場合」とは、(1)性行不良(日ごろの行いが悪い)で改善の見込みがない(2)学力劣等で成業(学業を成し遂げる)の見込みがない(3)正当な理由なく恒常的に欠席する(4)学校の秩序を乱し、その他学生または生徒としての本分に反した−場合を指します。

 退学は懲戒処分のうち最も重く、生徒の学習する権利を奪うものですから、その処分は慎重に行うべきです。万引をしたからといって直ちに退学が認められるとは限りません。

 過去の判例において、退学処分を受けた生徒が「年齢的に心身の発育のバランスを欠きがちで人格形成の途上にある高校生である場合には、退学処分の選択は十分な教育的配慮の下に慎重になされることが要求される」と判断したものがあります(東京高裁一九九二年三月十九日)。

 息子さんはまだ高校一年で万引は今回が初めて。現在は深く反省しているのですから、最も重い退学処分は厳しすぎると思います。

 しかし退学処分がなされてしまった場合には、裁判で退学処分の取り消しなどを訴える必要があるので、弁護士に相談されることをお勧めします。

 

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