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<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> ペットの事故死、賠償認められる?

悩みの小部屋

2018年1月20日

<お悩み> 先日、乗用車を運転中、青信号の交差点を通過しようとしたところ、対向車のトラックが右折してきて車の後部に衝突しました。幸い軽いけがですんだのですが、車は大破し、後部座席にいた愛犬が死んでしまいました。愛犬は5年前にペットショップで購入。独り暮らしの自分にとっては家族のような存在でした。賠償は得られるのでしょうか。 (千葉・無職 60代)

◆慰謝料認めるのが相当

<お答え> 交通事故による損害は、人身損害(けがや死亡)と物的損害に分けられます。物的損害の典型例は、車の破損です。もし修理が不可能なほどに車が大破した場合、損害賠償としては、事故時の車両の市場価格(中古車価格)が支払われます。

 ただし物的損害の場合、人身損害の時に支払われる慰謝料は認められないのが通常です。車やその積載物の場合、市場で事故車や積載物と同等のものが調達できるので、慰謝料までは認める必要はないとの考え方に基づきます。

 ではペットのような動物の場合はどうでしょうか。法律の世界では、動物も含め、人間以外の存在は、全て「物」として扱われます。

 この考え方を貫くと、ペットの死亡は物的損害として処理されることになり、損害賠償として認められるのは、ペットの市場価格のみとなります。

 具体的には、ペットの購入価格を上限として、購入時のペットの余命、今まで飼われていた年月などを考慮して賠償額が決められることになります。また、物的損害である以上、慰謝料は認められないことにもなりそうです。

 しかし、ペットとして飼われている動物は、単なる物ではなく、人間が愛情を注ぐ対象として、家族と同様に扱われることも少なくありません。

 こうしてみると、ペットが事故で死んだ場合、慰謝料を認めるのが相当であり、最近の裁判例でも、これを認めるケースが増えています。

 ただし、認められる慰謝料の額は高くなく、十万円程度とされる例が多いようです。またペットの火葬費用を認めたり、死亡でなくけがの場合に治療費を認めたりする裁判例も珍しくなくなってきています。

 

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