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<法律お助け隊 加藤健次弁護士> 姉が管理する母の遺産消えた

悩みの小部屋

2018年1月6日

<お悩み> 姉夫婦と同居する母が亡くなりました。相続人は私と姉です。父が亡くなった時に相当な額の預貯金を母が相続したはずですが、残高はほとんどありませんでした。母は高齢でお金を使うこともほとんどなく、数年前から財産の管理は姉がしていました。姉に説明を求めても、母が使ったと言うだけで納得できません。どうしたらよいでしょうか。 (東京・無職 60歳)

◆まず出金記録の確認を

<お答え> 遺産は、相続の開始時に存在する財産を分割するのが原則です。ところが、相続人の一人が被相続人の生前に財産を使ってしまい、相続時に財産がなくなって紛争になることがよくあります。

 ご質問の場合は、まず金融機関にお母さま名義の預貯金の取引履歴を開示してもらい、不自然な出金がないか確認することが必要です。

 生活費などとしては説明のつかない出金が見つかった場合、お母さまの意思に基づくものかどうかが問題となります。この点は、当時のお母さまの健康状態、日頃の預貯金の管理の仕方、使い道が明らかかどうかなど事情に基づいて判断することになります。

 お母さまの意思に基づかない出金をお姉さまがしたと判断される場合、勝手に引き出した金額を損害賠償請求できるのはお母さまです。そして、お母さまの請求権の二分の一をあなたが相続しますので、勝手に引き出された現金の半分をお姉さまに損害賠償請求できます。

 仮にお母さまの意思に基づく出金でも、それによってお姉さまが利益を得た場合は、その金額をいったん遺産に戻した形にして遺産分割を行います。これを特別受益といいます(民法九〇三条)。

 ところで、お姉さまがお母さまの財産管理を行っていたのであれば、不明瞭な出金についてあなたに説明するのが話し合いの常識的な進め方です。

 そこで家庭裁判所に相続に関する紛争の調整を求める調停を申し立て、その場でお姉さまに疑問点について説明を求め、解決する方法も考えられます。

 いずれにしても、あなたが納得できない点については、きちんとただしていくことが大切です。

 

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