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<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士> 上司が給料泥棒発言 パワハラ?止めたい

悩みの小部屋

2016年12月10日

 大手不動産会社の営業所に勤務しています。営業成績が悪い社員は、朝礼の場で、営業所長から「給料泥棒の○○さんです」などと指名され、いかに自分が無能な社員であるかを言わされます。私も、いつかは同じようなことをさせられるのではと、内心どきどきしながら日々を過ごしています。一種のパワハラだと思いますが、どうにもならないでしょうか。

  (千葉県、30代男性)

◆録音し人事部などに訴えを

 パワハラとは、職務上の地位や権限を乱用して、労働者の人格を損ねる違法な行為のことを言います。もっとも、上司が部下に対して注意や叱責(しっせき)をすることが全て違法となるわけではありません。パワハラとなるのは、業務の遂行とは無関係に、あるいは必要以上に、相手方の人格権を損ねるような言動をした場合です。

 「給料泥棒」と言ったり、いかに自分が無能であるかを人前で言わせたりすることは、当人のプライドを傷つけるものですし、業務成績の向上に結びつくものとも思われません。従って、あなたの職場で行われていることは、違法なパワハラと言えるでしょう。

 ところで、パワハラをした本人が法的責任を負うのは当然ですが、企業には、パワハラを防止し、良好な職場環境を維持すべき義務があります。良識のある会社なら、あなたの職場で行われていることを知れば、すぐにそれをやめさせる措置を取ると思われます。あなたのケースでは、営業所のトップである所長自身がしていますので、本社の人事部などにパワハラの実態を訴え出るべきでしょう。

 ただし、人事部などの調査に対して、所長がパワハラの事実を否定したり、場合によっては、営業所の社員に口裏合わせを強要することも考えられます。そこで、朝礼でのやりとりを録音しておくことをお勧めします。また、あなた一人でなく、複数人で訴え出れば、人事部などは、事態を重視し、迅速な対応をすることになるでしょう。

 人事部などがパワハラをやめさせる措置を取らない場合には、弁護士などの法律専門家に相談してください。労働局が実施している指導・助言の制度を利用することも考えられます。

 

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