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若年層の献血離れ 深刻 20年前に比べ半減

暮らし

2018年8月28日

献血への協力を呼びかける学生ボランティアたち=名古屋市港区で

 手術などで必要となる輸血用の血液を支えるのが献血。だが、若い世代の献血者は減り続け、三十代以下では二十年前と比べて半分に。このペースで減り続けると、需要に追いつかなくなる恐れがある。献血への協力者を増やす必要があり、日本赤十字社(日赤)は大学生のボランティアらと協力し、若い世代を中心に献血への協力を呼び掛けている。 (河野紀子)

 「献血にご協力をお願いしまーす!!」。今月十九日、名古屋市港区の名古屋港水族館前の広場。手作りのプラカードを持った学生たちが、家族連れや若いカップルなどに笑顔で声を掛けたり、「サマー献血キャンペーン」と書かれたうちわを配ったりした。

 愛知県内の大学生でつくる県学生献血連盟のボランティアで、総勢百五十人。代表で愛知工業大三年の市橋拓也さん(20)は「同じ世代が呼び掛けることで、興味を持ってもらえるし自分もできると知ってもらえる」と話す。

 市橋さん自身、若者による献血の減少が深刻化していることを知り、二年前に初めて献血。これまでに計四回に上る。「献血は学生でもできるボランティア。一度経験すると必要性を理解してくれるケースが多いので、多くの人に呼び掛けたい」と話した。

 日赤によると、献血ができるのは十六〜六十九歳。心臓病などの持病があったり、輸血を受けたりした人はできない。加齢とともに健康上の理由で献血ができなくなる人は増えるため、若者の協力は欠かせない。だが、二〇一六年度の献血者数はおよそ四百八十三万人で、うち十〜三十代は百九十三万人(40%)にとどまる。二十年前は六百万人のうち四百一万人(67%)だったのと比べると、若者の減少が際立っている。

 少子化の影響もあるが、人口の減少ペース以上に献血者数は減っている。愛知県赤十字血液センターの担当者は「高校への献血バスの派遣が少なくなり、献血を経験する機会が減ったこともあるのでは」と指摘。二十五年前は、全国の高校のうち七割近くで献血が行われていたが、一六年度は三割以下にとどまった。

 内視鏡手術の普及などで血液の需要は減少傾向にあるとはいえ、このままでは、需要に追いつかなくなる恐れがある。日赤によるシミュレーションでは、血液の需要がピークを迎える二二年に必要な献血者数は四百八十五万人。しかし献血への協力者はその数を下回る見通しだ。

 不足分をまかなうためには、献血に協力する人の割合(献血率)を一六年度の5・7%より0・4ポイント上げる必要がある。厚生労働省は、二〇年度の十〜三十代の目標献血率を年代ごとに7・0〜8・1%に設定しているが、一六年度実績ではそれぞれ2ポイント近く足りなかった。

 献血への協力者を増やすため、日赤は、都道府県ごとに学生による献血推進ボランティアの活動をサポート。二年前からは、大学生ボランティアが講師役となり献血について若者が学ぶ「献血セミナー」を全国各地で開催している。二十年前と比べて七割近く減だった十代の献血者数が、一七年度は増加に転じるなど、少しずつ効果を上げている。

 

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