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広がる信金の成年後見事業  地域の高齢者支えたい

暮らし

2018年8月28日

 城南信用金庫(東京都品川区)など五つの信金が共同で法人を設立し、成年後見事業を始めて約三年半。金融機関による全国初の取り組みで、昨年は沼津信金(静岡県)と花巻信金(岩手県)も同様の事業を始めるなど全国的な広がりも見せている。城南信金顧問で法人理事長の吉原毅さん(63)は「全国の信金が中心になって地域の高齢者を支えたい」と意欲を見せる。 (五十住和樹)

 五つの信金が立ち上げたのは、一般社団法人「しんきん成年後見サポート」。事業の柱の一つが、後見人としての活動。法定後見では法人が家庭裁判所から選任を受け、認知症などで判断能力が十分でないお年寄りらの財産管理などに当たる。

 今年六月現在で受任した件数は、法定後見が二十三、任意後見が三十八、遺言執行者の指定が八十二となっている。

 実際にお年寄りらをサポートするのは、「後見スタッフ」と呼ばれる信金の元職員十六人。いずれも金融業務に長年携わり、財産管理には詳しい。品川区社会福祉協議会の市民後見人養成講座で、法律や社会福祉も学んだ。

 スタッフは男女ペアになり、被後見人宅を原則、月一回は訪問。生活状況や困り事を聞き、必要な現金を預金から引き出して渡したり、病院や施設への入所手続きを代行したりすることもある。

 後見人は家族、または弁護士などの専門家がなることが多いが、そうした後見人が財産を不正使用する事件が続発。吉原さんは「金銭管理に長年の経験がある信金の元職員が個人としてではなく、組織として支援することで高齢者を守れる」と説明する。

 活動のもう一つの柱は生活支援。独り暮らしの高齢者が増えていることから、家族の代わりとしての役割も担う。スタッフは、介護サービスを提供するケアマネジャーやヘルパーとの情報交換、熱中症を防ぐためエアコンの取り付けも行った。生活保護の申請代行もした。

◆5信金が先駆け

 「しんきん成年後見サポート」は品川区に営業拠点を持つ城南(本店・品川区)、さわやか(港区)、芝(同)、目黒(目黒区)、湘南(神奈川県横須賀市)の五信金が二〇一五年一月に設立した。

 法人の運営費は、後見人としての報酬に加え、各信金からの会費で捻出している。課題は事業継続のための新規サービスの考案などで業務の幅を広げることという。沼津、花巻両信金が設立した法人も生活支援や地域の福祉サービスとの協働を柱に掲げている。吉原さんは「信金業界が連携し、公共セクターとしての分野を広げていきたい」としている。

 法人は、品川区とその近隣に在住している人を主な対象に、相談を無料で受け付けている。財産の額にもよるが、月数万円の報酬が必要という。問い合わせは、しんきん成年後見サポート=電03(3493)8147=へ。

<成年後見制度> 認知症や精神障害などにより判断能力が衰えた人が不利益を受けないために、家庭裁判所に申し立て、本人を援助する人を付ける制度。法定後見は判断能力の衰えに応じて後見、保佐、補助に分かれ、任意後見は判断能力が衰える前にどんな援助を誰にしてもらうかを自分で決める。

 具体的にできることは、預金の引き出しなど財産管理▽家の修理に伴う契約▽病院や施設への入所手続き▽菩提(ぼだい)寺での永代供養の申し込み▽悪徳商法で購入させられた商品の契約取り消し−など。

 

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