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夏場の食品 賢く保管 野菜は陰干し、冷凍を

暮らし

2018年8月23日

冷凍したキュウリでごま酢あえを作る加藤治美さん=名古屋市西区の名古屋文理栄養士専門学校で

 夏場、気になるのが食品の保管法だ。特に今夏は野菜の高値が続き、「安いときにまとめ買いしたいけれど、冷蔵庫がいっぱい」という悩みを抱えた人も多いだろう。せっかく買った野菜をむだにしない活用法や、食中毒にならないよう食べ物の傷みを防ぐ注意点を聞いた。 (吉田瑠里)

 「余分に買わない方がいいけれど、台風や豪雨で買い物に行きにくい日もある。私は、乾物や缶詰を使うほか、野菜を自分で干したり冷凍したりもしています」。管理栄養士で名古屋文理栄養士専門学校非常勤講師の加藤治美さん(71)は話す。五十年近く、栄養士の養成に携わってきた。干したり冷凍したりすれば、野菜室がいっぱいにならず、風味や食感がひと味違った料理もできる。

 加藤さんが干したり冷凍したりするのに勧める野菜は、まずはキュウリ。割安と思って大袋を買ったら、使い切れず傷んでしまったという人もいるだろう。

 干すときは、菜箸や串を通してらせん状に全体に切り込みを入れておくと、水分が抜けやすく、皿やざるにわたしておける=写真。二日くらいでしんなりし、切ってポン酢などであえる。風通しの良いところで陰干しし、数日で使い切る。

 冷凍するときは、特に手を加えずに丸ごとでいい。他に冷凍に適しているのはゴーヤーやピーマン、トマトなど。ゴーヤーやピーマンは、切って種を取り保存袋に入れる。トマトは冷凍しておくと、水で洗えばすぐに皮がむける。

 「冷凍は栄養が逃げにくいが、解凍すると水と一緒にビタミンが流れてしまう。完全に解凍せず、半解凍で」と加藤さんは言う。

◆冷凍キュウリのごま酢あえ

 冷凍キュウリを使った料理の一例として、冷凍キュウリのごま酢あえを紹介してもらった。

 生のキュウリを使うときは塩もみして水分を絞ってから甘酢であえるが、冷凍したものなら塩もみは不要。塩は甘酢に入れる。キュウリは、半解凍したものを厚めに切ると食感を保てる。

【材料】(2人分)

キュウリ1本(120グラム)、塩小さじ1/5、酢小さじ2、砂糖小さじ2、すりごま小さじ1

【作り方】<1>天地を落として丸ごと冷凍したキュウリを、厚さ2ミリほどに輪切りする<2>調味料を全て合わせ(1)と混ぜる。

 ※写真は、冷凍プチトマトを加えた。水で洗い皮をむき半分にしたプチトマト3個を(2)に混ぜる。調味料は倍に。

◆料理の保存、肉の解凍→冷蔵庫で

 出来上がった料理や肉などの保管にも注意したい。学識者や関連業者、消費者らでつくる「愛知県食の安全・安心推進協議会」会長で、至学館大健康科学部教授(食品衛生)の小塚諭さん(65)に注意点を聞いた。

 「前夜に作ったものを翌朝食べるようなときは要注意」と呼び掛ける。食中毒を引き起こすウェルシュ菌は、二〇〜六〇度の環境で増えやすい。そのため、気温が下がらない夜は、朝までに菌が繁殖してしまうことがある。

 この菌は酸素があると増殖できないため、深めの鍋にカレーや煮物を置いておくと、空気に触れない底近くで菌が繁殖してしまう。浅めの容器に小分けにして冷蔵や冷凍で保存する。食べる前には、かきまぜながらしっかり再加熱したい。

 おにぎりも、食中毒の原因になりかねない。手でさわり黄色ブドウ球菌が付いたおにぎりをラップで包むと、湯気がこもって菌が増えるのに必要な水分が閉じ込められてしまう。ラップの外から握るとよい。

 解凍肉から溶け出た液には、カンピロバクターが多く含まれる。人の体温ぐらいを好むので、常温でなく冷蔵庫で解凍する。買い物するときも、冷凍食品を最後にするなど工夫したい。

 

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