XMenu

障害者差別や偏見ない社会へ 心開くタップダンス

神奈川

2018年9月7日

ステップを披露する、おどるなつこさん(右)と障害者ら=横浜市中区で

 知的障害者と子どもが一緒にタップダンスを楽しむワークショップを、相模原市のプロダンサーおどるなつこさん(49)=本名・伊藤夏子=が開いている。伝えたいのはタップダンスの楽しさと、「障害者への差別や偏見をなくしたい」との思いだ。 (加藤益丈)

 タッタッ、タタタッタ−。横浜港の大桟橋やみなとみらい地区の高層ビルが見える象の鼻テラス(横浜市中区)に先月中旬、陽気なリズムが響いた。なつこさん主宰のワークショップで幼児や小学生、その母親ら約二十人がタップダンスを楽しんだ。

 市内の作業所に通う障害者三人もアシスタントとして参加。なつこさんが誰でも簡単にタップダンスを楽しめるようにと考案した、靴の上から装着するタップシューズ「おとたび」を参加者に履かせたり、ステップを披露したりした。

 最初は人前で踊るのを恥ずかしがっていた子どもたちも次第に緊張が和らぎ、最後はピアノ演奏に合わせて足音を刻むようになった。一時間のワークショップは笑顔で終わり、なつこさんは「障害のある人もない人も一緒に踊ることで、初めての人が早く心を開いてくれる」と話した。

靴の上から履ける「おとたび」

 なつこさんが知的障害者と深く関わるようになったのは十年ほど前。ドイツ旅行で、紛争で体に障害を負った子どもを救済する「国際平和村」を訪れたのがきっかけ。自分も障害者の力になりたいと思い、「あしおとでつながろう!プロジェクト」と題して施設でタップダンスを教えるようになった。おとたびの制作も障害者に依頼している。

 ワークショップは昨年始め、これまでに県内で五回開催。障害者がアシスタントを務めるのは今回からで、「障害の有無に関わりなく対等でありたい」という考えから、少額ながら報酬も用意した。

 タップダンスは、奴隷制度下に黒人がドラムを取り上げられた結果、発展したとの説がある。その奴隷制度も廃止された。なつこさんは、障害者への差別や偏見がある今の社会も必ず変えられると信じている。「差別のない未来のために、これからも活動を続けていきたい」と力を込めた。

 問い合わせは、なつこさんのホームページ(「おどるなつこ」で検索)から。

 

この記事を印刷する